お疲れ様です。
さすらいの読書ブロガーエイルです。
先日、小手鞠るい先生の「女性失格」についての記事を書かせて頂きました。
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女性失格は問題作であった事は間違いなく、私の親類の中で比較的読書好きである母親にこの作品を読んでみて欲しいと伝えた所、まず題名を怖がられました。「きつい・・・と」
ほんの少しだけ内容を伝えた所、「怖くて読むことが出来ない。耐える事が出来ないかもしれない」と言うような事を言っていました。
読書で・・・耐えるって・・・・・。
ということで、今は母親の元ではなく私の本棚に飾ってあります。
言い過ぎかもしれませんが、これはある種の聖書のようなものです。誰もいつかこの作品を読む日が来ることでしょう。それがいつ(何歳)になるかわかりませんが。母親もいつか気になって読むかもしれませんのでその時の為に、綺麗に保管しておく事にします。
小手鞠るい先生に直接X(旧ツイッター)にて「女性失格」をブログ記事にさせて頂いたと報告した所、その後先生はいくつかのおすすめ作品を私に教えて下さいました。私のイメージとは違って、本当に気さくな方でした。お忙しい中、本当にありがとうございました。
何作品か教えて下さいましたが、その中で私的に1つだけ少しゾッとする題名の作品がありました。
「炎の来歴」
このエイルブログをご覧の皆様、この作品読んだことがある方は居られますか?この題名・・・雰囲気・・・凄くないですか?
単純に題名だけを聞いて想像すると威圧的で熱い男の人生の話かなと・・・もしくは消防士の話なのかな・・・。そんな私が予想出来るような作品は小手鞠先生は書きません。当然のことですが、予想する内容と全然内容が違っていました。
・・・炎と言う言葉を普段使う事はあったとしても、来歴と言う言葉はなかなか使いません。無知な私は思わず「来歴」を辞書で調べました。
※ 来歴= 物事が過ぎ経てきた次第。由来。由緒(ゆいしょ)
様々なおすすめ作品がある中で、私は第一印象の題名に惹かれてこちらを購入しました。これはまた女性失格と同様、恐らく何らかの社会に向けてのメッセージがある作品だと思いながら、表紙を見ました。
表紙は両手で大量の手紙を持った写真でした。これは意味深だな・・・・。どういう展開になっていくのかな・・・・非常に楽しみでした。
この作品のイメージは、これまで先生の他作品である「ある晴れた夏の朝」「情事と事情」の二冊を読みましたが、この2作品よりも硬いです。圧倒的に硬い話です。例えば・・・上手くお伝えしにくいのですが、読んでいて少し笑顔になったり所謂ちょっとフワッとする場面があまりない所が特徴的です。真剣にズンズン読み進めていく事が出来ます。
このお話は戦後の日本を舞台にしたお話でした。
一部屋をふすま一枚で区切った、今でいうとルームシェアのような状態(ルームシェアというか一つの部屋を無理矢理区切ってあるようなイメージを私は感じましたが)で一緒に住んでいる大学の先輩が居ました。ある日その先輩のポストに一枚の手紙が届いていました。
手紙は手紙でも・・・・外国からの手紙・・・・・。なんだこりゃ・・・・。思わず中を開けてしまう主人公・・・。
この何気ない、良くない行動からいよいよ話が展開されていきますが、要はその外国人の女性と文通を続けていくというお話でした。
外国からの手紙ということは当然中身は英語です。先ずは辞典で英語の勉強をして返事を出さなくてはいけません。
しっかり勉強して返事を返します。暫くしてまたその返事が英語で返って来ます。そしてまた辞典とにらめっこする。
このサイクルが始まり、主人公には英語の能力が身につきます。
その後、就職が無事に決まって結婚もします。
それでも文通はまだまだ続くのです。妻からしたらたまったもんじゃありません。女性に手紙を書いているのですから、いつ会いたい気持ちが爆発して不倫になってしまうかわかりません。
それが火種となり、しばしば喧嘩にもなります。
その事を察したのかよくわかりませんが、急に彼女から手紙が届かなくなります。パタッとなくなります。
「あれ?・・・おかしいな・・・・そろそろ返事が来るはずなのに・・・・。」
あまり言うとネタバレになるのでほどほどにしておかないといけません。
一旦、作中にありました文章をここで紹介致します。
記憶は消えても歴史は残る。
この言葉を言い換えて
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炎は消えてもその来歴は残る。
深い・・・でも何故この言葉を・・・言い換えないといけないのでしょうか・・・。言い換えるという事は分かりやすくするという意味に捉えられますが・・・。
何が起こったのか、何故そうしなければならなかったのかは、是非「炎の来歴」を読んで男女二人の感情を感じ取ってみて下さい。
文通=純愛のようなイメージがありますが、本当に美しい物語です。ラブロマンスが苦手な方でも読むことが出来る作品かと思いますので、かなりおすすめです。
あと先生のあとがきには、このように書いてありました。(申し訳ありません、私が変更すると軽くなるので、小手鞠先生の文をそのまま描かせて頂きました)
彼と彼女の生きた時代に起こったことはそのまま、今の時代にも起こっていることだから。私の使命は、過去を過去として描くことではなく、過去を現在として描く事だったと思ってる。
私も先生のように意味のある、意味を持たせる作品を作ってみたいと強く思いました。
現状私はこの「エイルブログ」と「小説家になろう」の二本柱でやっています。端くれですが執筆家である自分の使命と重く捉えて、何か一つでも人の心に残る物を産み出していきたいと思っています。
ということで、さぁ書店へ行ってこの物語を感じましょう!!♪
今日の私の面白小説紹介はここまでです♪
それでは、また♪
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