お疲れ様です。
出会った人の数だけ思い出話があると思っている、エイルブログちゃんです。
もぉ10年くらい前の話になるのですが、私の仲間内で「滝」を見に行くという謎のマイナスイオン巡りが流行った時期がありました。
仲間内で旅行など行った時には、現地の滝を見に行くことを欠かしませんでした。
他県の山間部にある結構な数の滝を見てきました。
しかし、それはそうとして、我々の地元には一体どのような滝があるのでしょうか。
いざ、そう考えるといてもたってもいられません。少しでも日常生活に於いて癒しを得る為に滝を見に行っているのに、安心して眠れなくなるのでした。なにごともハマるという事は体に大変悪い事なのかもしれません。
滝を見る会の会員である友人いとうしと共に、その日も朝から集まっていました。
いとうし「いよぉぉし」
私「いよぉぉし」
独特な挨拶を互いに掛け合い、いとうしの中古車に乗り込みました。
いざ出発・・・・・。
滝はやはり地元の中でも、自然が多い地区にあるんだろうという予想を元に、2人で事前に特定の地区を決めていました。
中古車を走らせること約30分。
「龍の滝」(仮名)の看板が出てきました。右折の矢印が出ています。
私「ほぉーら!あったぞ!!行くぞぉ!!」
いとうし「あったった!!おっしゃー!!右折だぁ!!」
まだ看板を見つけただけなのに、鬼が獲物を見つけたかのように騒ぐ2人・・・・・。
右折すると山の中に進んでいく道がありました。途中までは民家が有りましたが、進んでいくうちに道は細くなり、あっという間に山道になっていきました。
両サイドの草がいとうしの中古車を擦る音が聞こえます。
これ以上は無理と判断し、引き返すのではなく、中古車を降りて徒歩で向かう事にしました。
暫くいとうしと歩いていましたが、途中から舗装が無くなりました。
私「完全なる山道だな・・・・」
いとうし「地元の人も来ない山道だろうな・・・・」
細い山道を2人で進んでいました。
もはやただの登山です・・・。
滝を見るという事は大変なのです。あのマイナスイオンを感じる為に、悪路だろうが虫がいようが蛇が居ようが先住民族と会っても私達は向かうのです。一瞬の癒しの為に私達は頑張って購入した中古車を捨てて、全てを投げうって進むのです。
景色が少しでも良いと歩くのに苦労しないのですが、今回の旅はただただ道幅が細い軽くぬかるんでいる道であり、歩くのがしんどくてだんだん歩くのに飽きてしまいました。
私「結構・・・歩いたな・・・・・・」
いとうし「置いてきた中古車が心配になる位の距離を歩いたな・・・。」
足元に気を付けながら、さらに道を進むと超極狭の道が現れました。
しかもこの道を万が一でも踏み外したら、断崖絶壁真っ逆さまです。
私「いとうし、落ちるなよ・・・・」
いとうし「わかってるよ・・・・」
私「絶対に、落ちるなよ・・・・」
いとうし「フリじゃねぇか(笑)」
私「いやいや、マジだから・・・」
・・・・・・・・・
いとうし「・・・うわぁぁぁ!!!!」
あれだけ気を付けろと言ったのに、いとうしはここ一番で思い切り足を滑らせました。
私「いとうし!!ヤバいぞそこは!!!」
目の前でいとうしがどんどん足を滑らせて断崖絶壁に向かって落ちていきます。
私「今までありがとう!!いとうし!!」
私は素直にお礼を言いました。
いとうし「おい!!諦めが早すぎるだろ!!」
いとうしは足を必死で動かしていましたが、枯葉で何度も足が空回りして全然上がってこれません。そこら中に枯葉が舞い上がっていました。
この時とても勉強になったのですが、本当にヤバい時は声が出ません・・・・。無言です。声をあげている時はまだ余裕があるということが分かりました。
いとうしも私も無言でした。目の前でツルツルツルツル友人が足を滑らせているのです。道が細すぎてつかまる場所も無い為、助ける事が出来ません。
てか・・・なんぼほどいとうしの靴はブレーキが効かないのでしょうか・・・・・
どうにかこうにか匍匐前進のように這い上がるいとうし・・・・。
あっぶねぇー・・・・・。
いとうし「死ぬとこだった・・・・。」
私「いとうし大丈夫か?!・・・ちょっと靴の裏見せてみろよ!」
私は上がってきたいとうしの靴を脱がせました。
いとうしの靴は革靴で、靴の裏は平らな木でした。
なので枯葉の上ではスケート靴です。いとうしは全く抵抗の無い、今回の滝巡りでは一番適していないズックを履いて来ていました・・・・。
私「せめてスニーカー(笑)これマジで危なすぎるだろ(笑)」
いとうし「しまったなぁ・・・・・帰り道どうしよう・・・・・。ガチでデジャブになりそう・・・・。」
こういう時の靴は、「ニューバランス」なのです。ニューバランスこそ滝を見る会必須アイテムなのです。
こんな死ぬような思いをして、ここまで来て、滝を見ずに帰るわけにはいきません。
私は泥だらけの翼の折れた友人いとうしと共に、道なき道を進みました。
いとうし「あれ?行き止まりじゃないか?・・・」
私「ホントだ・・・・・え・・・滝は?」
急に道が無くなりました。行き止まりにあるのは緑色の汚い池でした。
昔、元々は小さな滝があったけど、無くなってしまったような、そんな感じになっていました。
いとうし「なんだこれは!!一応写真撮るぞ!!・・・カシャ!!・・・よし、さっさと帰ろう!!!こんだけ苦労して結局溜池かよ!!」
私「クソだなここは!!やめだやめだ!!次行こう、いとうし!!」
死にかけたので半ギレで帰って行く滝巡りの鬼達・・・・。
私といとうしは結局この日、滝を見る事は出来ませんでした。
しかしこの後、靴屋さんに元気に向かうエイルといとうしの姿がそこにはありました。
いとうし「クロックス買おうかなぁ・・・・」
ばっかやっろ♪♪滝用ニューバランス買えよタコ♪♪