お疲れ様です。
今回は、不動産に纏わるお話をしようと思います。
不動産は重要です。「衣食住」と言われる程、生活の上で最重要視される項目の一つでもあります。
さすらいの不動産トラベラーエイルです。
夜業が終わり、帰り道が一緒である仲良しの後輩のエフから相談を受けました。
エフ「エイルさん、今住んでいるアパートを近々変えたいと思ってるんです。」
そんな重要な事を私に相談してきました。
私「おお、マジで?・・・・なんで急に?」
エフ「駅の近くに住みたいのと、洗濯機を置ける物件に住みたいんです。」
部屋に洗濯機を置けるスペースが無く、すぐ傍のコインランドリーに持って行って洗濯をしているそうでした。
私「なるほどな・・・。そういうことなら、一緒に探そう。」
後輩が相談してくれている事に対して、全力で答えるのが先輩の務めなのです。
エフの為の、エフの利便性の為の、エフの生活の為の賃貸アパートを探さなければなりません。
エフの車に乗り込み、携帯で物件を探しました。
駅の近くなので、範囲は絞られてきます。部屋はまぁ1Kでいいでしょう。あとは家賃だなぁ。
エフの家賃を聞き、それよりも1000円安い家賃を上限にして、検索をかけました。
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私「んん??・・・・エフ、これどう?」
エフ「え?・・・もぅありました?」
その条件で検索をかけた所、駅近で駐車場付き、家賃が今のエフのアパートの家賃よりも安い物件が出てきました。
私「8畳で風呂・トイレ別だ。最高な物件。・・・キッチンも小さいけどついてるぞ。」
エフ「あっいいですね・・・これ。」
私「よし、行くぞ。」
善は急げです。早速、エフの運転でこの物件の近くまで行くことになりました。
内見する前に、周りの環境を調べる事にしました。
環境は非常に大切です。
騒音や物件前を走る車の交通量、隣接はどんな建物なのか、駐車場の位置、ご近所さんの年齢層、近くに商店はあるか、昼間と夜間の雰囲気などなど・・・・調べることは本当に沢山あるのです。
その場所に住むのだから、調べなくて損をすることはあっても、調べて損をすることはありません。
まずは外見からの情報を2人で調べることにしました。
私が助手席でナビを持ち、エフの運転で物件迄向かって行きました。
駅から近いといっても、ドーナツ化現象が起きている為、実際にそこに住んでいる人口は少なく、昼間はとても静かな雰囲気でした。
私「静かだなぁ、昼寝とかするのはいいかもしれないな。」
エフ「ですね、静かなのは凄くいいです。」
エフも私もこの町をとても気に入りました。
私「あれ?・・・・」
気を付けて周りを見ていたのですが、目的地の物件を通り過ぎてしまったようでした。
私「エフごめん、通り過ぎたみたいだわ、一旦回ってもう一回この通りに戻って来よう。・・・てか、物件あった?」
エフ「いや、僕も注意して見ていましたが、無かったですね。」
私「だよな・・・。」(おかしいな・・・・)
もう一周して再び通りに戻ってきました。
私「後続の車が無いから、徐行してくれ。」
エフ「はい、わかりました。」
私「よーし、これなら・・・・。」
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しかし、またもや目的地を通り過ぎてしまったのです・・・・。
あれー---????
車を離れた裏路地で停めて、再度二人で物件位置を確認することにしました。
私「おっかしいな・・・・この辺だと思うけど・・・俺の見方が悪いのかな?・・」
エフ「いや、エイルさん。僕もわかんなかったですよ。」
私「よし・・・決めた・・・。次もしも分からなかったら、車停めてくれ。俺が外に出るから。」
エフ「分かりました。」
作戦を立て直し、三度同じ通りに戻ってきました。ここまで来たら絶対に見つけるぞ!!
ブーーン・・・・
細心の注意をはかりながら、徐行で進むエフの車・・・。
いままで以上に集中し、周りを確認します・・・。
私「この街並みもう見慣れてきた・・・。」
エフ「はい・・・・。もぉ住んでるみたいです。」
不思議なもので同じ通りを連続で3周すると、その街をすっかり覚えてしまいます。
その時でした・・・・・。
私「エフ!・・もしかして・・これ?・・・・」
私は車を停めるようにエフに指示して、車を路肩に停めました。
エフ「え・・・・・」
私とエフはその物件を見ます・・・。
これ?・・・・・っていうか・・・これ・・・・・。
いや・・・・・
2人「ほっそ・・・・・・。」
感想は同じでした。これでもかという細い建物がそこに建っていました。
だから何回も見落としていたのです。物件では無いと思い込んでいた為、スルーしていました。
ハリボテじゃないか・・・。
表面積が広い面から走って物件に入っていったら、反対の壁を突き破って落ちそうです。
俺「・・・8畳・・・そうだエフ、8畳だったよな?」
慌てて携帯で情報を再確認しました。
しっかりと「8畳」と記載してありました。
俺「待て待て!8畳って、縦に畳が並んでる8畳じゃないか?!載ってる図もなんか長方形だぞ!」
エフ「ははははは(笑)」
中を見たわけではないですが、想像したエフが我慢できず爆笑してしまいました。
俺「洗濯機なんか置こうものなら、室内ですれ違えないぞ!」
ウナギ用の家なのでしょうか。
しかし一応、意向を確認をしなければいけません。
私「それではエフさん・・・・この物件、・・・・・住みますか?住みませんか?どっちですか?!」
エフ「住みません。」
即答でした。
まぁ、そうでしょうね。
立地、街の雰囲気、家賃。申し分ありませんが、細いのはどうしても嫌だと言うのです。
ここを借りたエフに会いに行くのがとても楽しみでしたが、どうしてもここにお金を払いたくないとの事でした。
私「ワガママだなぁ(笑)」
エフ「ここは勘弁してください(笑)」
暫く細い建物を眺めて笑顔になる2人・・・・。
私「よし、他探そうか。」
エフ「はい。」
不思議なものでとてもきっぱりと諦めがつきました。
ブーーン・・・・
再び車は次の物件へ動き出す・・・・・・。