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にしま「ご馳走様でした!」
ハツモト「これからも色々と宜しくな。特に頼むぞにしま。みなみの事を宜しくな」
本当にいい話を聞くことが出来ました。
幹部のハツモトさんと別れ、2次会に行くことになりました。
2次会はみなみの奢りです。
ポン「みなみさん!ありがとうございます!」
みなみ「いやいいよ。」
にしま「いいんだよポン、みなみはポンが工場で働いてる時のアガリを持ってるんだから(笑)」
ポン「え?!?!」
みなみ「にしまっ!余計な事言うなっ!!(笑)」
仕事終わりのハクと合流し、みなみの行きつけのバーに行くことにしました。先日、きたののとこの連中に絡まれてしまったことで、行くことが出来なくなった為、今回は絶対にそこへ行きたいのです。
みなみ「あれ?ハク、あれって自前の着物じゃないんだ?」
ハク「あれは私のじゃなくてお店の物だから!(笑)見たかったら、私が入ってる時に来てよ!♪ハツモトさん今度また近いうち来るって言ってくれたよ!あんたも来なさいよ!」
にしま「しかしみなみ、今日初めてハツモトさんとこんなに長い時間話したけど、かなりの人間力だな。好感が持てるいい方だった。」
みなみ「いやホントな。あの人は性格も明るいし、本当に賢くて、仕事も下手を踏まない。チュンさんがこのままの事務所の勢いで、上に上がったら次期所長は間違いなくハツモトさんだ。」
ポン「はぁーい!!ハツモトさんはずっと優しいでーす!!」
つい先程まで上司のハツモトさんと話をしていましたが、まだ興奮が冷めず、全員まだドキドキしていました。機会があればまた是非話してみたい人間です。絶対にこの人が近くに居るうちに何かを学ばなければなりません。
4人でバーに向かって歩いていました。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
「・・・おー-っ!これはこれは、オーラスのみなみさんじゃないですか!!」
赤系のスーツを着た3人組に声をかけられました。
みなみ「漫才師かよ・・・・。いやー・・・今一番どうでも良い奴に会ってしまった・・・。」
頭をかくみなみ・・・。
ハク「あー見たことある・・・。同業者の人よね?私以前に声かけられた事があるわ!」
にしま「あんましみなみが、好きになれそうにないツラしてるな・・・・。」
この赤系のスーツで動いている集団は、「マンズ企画」。オーラス興業と同じく派遣業を生業としている会社でした。
真ん中に居るこの胡散臭そうな顔をしている蛇のような男が、マンズ企画社長のマンダでした。この辺りでは大きな派遣会社でした。
みなみ「なにやってんだ?この辺は俺達が入れてる(派遣してる)から用事はないだろ。」
マンダ「今日は仕事じゃねぇよ、遊びに来てんだよ。オーラスさんも社員が増えて景気良さそうじゃねぇか。」
みなみ「仕事じゃねーならその漫才師みたいなスーツ着て歩くなよ(笑)・・・仕事だろ。」
ポン「漫才師!トリオ漫才ですか?!」
マンダ「なんでもいいじゃねーか。」
マンダが詰め寄ってきました。
みなみ「なんだよ。」
マンダ「おいみなみ・・・お前きたののとこからいくら貰ってんだ?率(アガリ)ちょろまかしてんだろ。」
やれやれという表情・・・・
みなみ「はあぁ?・・・なんのことだか。」
マンダ「チュンとハツモトに黙っといてやるから、・・・こっちにもアガリ回せ。」
マンダは急にみなみを脅すような事を言い始めました。
当然、間に割って入ります。
にしま「おい、脅迫してんのか?・・・。」
みなみ「なんのことだかさっぱりだ。・・・うちの会社のやり方に文句でもあんのかコラ。」
たった1か月間ですがオーラス興業で働いてみて、みなみはきたのと裏で何かをしている事は分かっていました。しかしみなみはこのことを一言も俺達に話しませんでした。当然きたのもこの事に関しては何も話しません。俺とは友人としての話しかしてくることはありませんでした。
まさか・・・このマンダが言ってることが本当であれば、本来会社に入れないといけないお金をきたのと結託して着服している事になります。
マンダ「これは確かな情報だ。」
みなみ「だから、うちの会社(オーラス興業)がやってる事にマンズ企画は文句があるって事で良いんだな?」
マンダ「会社に対して内緒でやっている事を俺が知ってるからそう言ってるんだ。」
かけているサングラスを少しズラしてハクも応戦します。
ハク「それのどこに証拠があるの?具体的に、仮にアガリなら、いくらみ
マンダ「いつだがどっかの店で会ったお嬢ちゃんもオーラスに入ったのか・・・。まぁいずれわかるさ、女にゴチャゴチャ言ってもしょうがない。」
マンダは以前にハクに接触して、オーラス興業の内部事情について聞き出そうとした事があったそうでした。その事をハクは今でも鮮明に覚えていて、あまり良いイメージをマンダに対して持っていませんでした。
ハク「馬鹿にしないでよ!本当の事は一つ!私が調べてあげるからちゃんと言いなさいよ!!」
みなみが手でハクを後ろに下げる。
みなみ「・・・ここで具体的に話せないってことは、この話は終わりだな。お前はただ俺の会社の
ポン「み、みなみさんは悪い人じゃありません!!」
にしま・みなみ「お前はここでは黙ってろ!!」
にしま「良い人なわけないだろ。」
ポン「はぁーい!!ごめんなさい!!」
急にマンダは笑い始める。
マンダ「・・・・なんたって俺は情報ツウだからな。だからこの業界でデカい会社を何年もやってんだ。」
みなみは半笑いで即答します。
みなみ「デカい会社?・・・蓋を開けたらビックリのスカスカハリボテ会社じゃねーか!!!」
マンダ「なんだとてめえ!もういっぺん言ってみろやみなみ!!少なくともお前んとこよりはでけえだろ、年商見て業界研究してから言え馬鹿が!」
にしま「研究の結果、ハリボテだから言ってんだろうが!!あんた頭悪いんじゃねぇのか?!」
みなみ「頭おかしいんだよ!他の会社のやり方にケチつけるのがそのお前の言うデカい会社のやり方なのかよ!!」
マンダ「やり方も文句もクソもねぇだろ!!お前が阿漕なことしてるから言ってんだこっちは!!」
ハク「だからどこが阿漕なのか言いなさいって言ってるでしょ!!あんたが言ってる事全然伝わってこないんだけど!!」
にしま「さっきから聞いてたけど・・・・あんたの後ろに居る2人・・・。立ってるだけでマネキンみたいに何も言わねぇじゃねーか!そういう集団を烏合の衆って言うんじゃねーのか!!人数が多いだけでデカい会社っていうならそれは違うな!!おい今、会社同士でやりあってんだぞ!!後ろの奴も文句あるなら入って来いよ!!・・・ビビってんのか!!耳栓でもつけてんのかこの野郎!!」
全員ボルテージが上がってきました。全員の表情が怒りに変わっていました。
同時にギャラリーが物凄く増えてきました。メインストリートだった為、騒ぐと直ぐに人が寄ってきます。
ギャラリー「あの娘可愛くない?!どこの店に働いてんだろ?!」
ギャラリー「やれやれー!!手ぇ出せ!!」
ギャラリー「あの人かっこいい!!」
わぁー!!!!
・・・・・・・・
後ろの男達「ビビってねぇよ!!・・・・マンダさん・・・」
後ろのボサボサ頭の社員がマンダに耳打ちをはじめました。
マンダ「おう、・・・なるほどな(笑)分かった・・・。まぁせいぜい、引っ張られないようにな!最後は俺が言ったことが正しいってことになるんだから!若い奴らに恥かかせないようにしろよ!」
みなみ「若いやつ?こいつらは俺の部下じゃない、同い年の同僚だ!……。おまえもぉ謝ったっ
マンダ「は?どっちが終わるんだよ・・・。」
マンダは逃げるように去っていきました。
ギャラリー「なんだよやんねぇのかよ!!つまんねー!!」
周りが慌ただしくなり、警察が動き出しました。ギャラリーの中の誰かが殴り合いになる前に通報していました・・・・。
警察官「あっあそこだ!!」
男性の警察官が俺達を見つけて追いかけてきました。
みなみ「みんな!あそこの路地行くぞ」
大勢のギャラリーに隠れながら、すぐ近くの路地に入りました。
みなみ「折れ!そんなもんわっ!!」
にしま「だいぶ騒いだな、久々に殴り合いの喧嘩になるかと思ったわ!!」
みなみ「見物料欲しいくらいだ!!殴り合いになったらあいつら全員お前1人にやられる。そこまでしたらこっちが悪くなってしまう、こっちが手を出さないギリギリラインが良いんだギリギリラインが・・・。」
タッタッタッタッタ・・・・・
路地裏を駆け抜ける4人。
すると正面に一人の女性が現れました。
女性「・・・・・・・ここ上がりなさい・・・。」
みなみ「・・・・・・・・・・」
にしま「・・・・・・・・・・・・」
ハク「・・・・・・・・・・・」
ポン「はぁーい!!」
女性が指をさす方向にビルの螺旋階段がありました。
俺達は女性に言われるがまま、螺旋階段を登りました・・・。
カンカンカンカン・・・・
カンカンカンカン・・・・
にしま「結構走ったな・・・。」
俺の前を登っているハクと目が合いました・・・・。
ハク「・・・・・・・・・・」
にしま「・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
さっきの女の人誰?!
続く