これまでのお話はこちら
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カンの事務所で3名の男達が座らされて、後ろから抑えつけられていました。
各地でバキョウとマンダの一件に関わった者の狩りが始まっていま
きたのに呼び出され、にしま、みなみ、ハクの3人は以前行った「DORA」のVIPルームに開店前の浅い時間から集まっていました。
ポンは別件が有り残念ながら欠席していました。
にしま「いつ来ても綺麗だなここは・・・。落ち着くし、なんだろう。なんだった
ハク「・・あれ?きたの・・・この前のパーマの人・・・・あっバキョウが居ないじゃん?どこ行
にしまとみなみがちらっときたのを見ます。
にしま「・・・・」
みなみ「・・・・」
笑いながらきたのは答えます。
きたの「漁師になりたいんだとや。近ごろの若いやつの考えはわからんね。
2度目の来店でしたが、綺麗サッパリ、前回居た店員達は全員入れ替わっていました。
顔見知りになったと思っていたのですが、期間は一瞬、別れは突然でした。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
港で海を眺めながら、遠くを見ているカン。
オカ「兄貴、そろそろ時間です。・・・どうされますか?」
カン「・・・3分待っててくれ。今色々と動いていて1つ分かったことがある。」
オカ「はい、わかりました。」
電話をかけ始めるカン。
きたの「・・・おう、どうだそっちは。」
カン「社長、・・・・リューの店の付近でオーラス興業上がりで商売やってる連中の
きたの「あー・・・・・・あったな。そこが今回の件と関わってるのか?バキョウと繋
カン「具体的には調査しないとわかりませんが、部下と話した時にその店の名前を言った者が何人か居ました。なんでもかなりの情報通だそうで
・・・・・・・・
きたの「・・・あっ思い出したわ。俺がバーをしていた頃からの知り合いだが、確かア
カン「はい、わかりました。」
ピッ!
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
スーツの男性「こんばんは。」
暗い緑色のスーツの男性が一人、アリスの店「Fan」に入っていきました。
長身で、左耳にピアスをした中世的な若い青年でした。
アリス「いらっしゃい・・・・ん?あんたきたののとこの?・・・リュー??・・・・・」
パオ「お客さんを選んでいるわけでは無いんですが・・・・こちら側はあなたに何
直ぐに状況が分かったボーイのパオが店の入り口付近で直ぐにリューを通せんぼします。
リュー「まぁまぁまぁ。突然であれなんだが・・・・ママにちょっと聞きたいこと
リューはポケットからチップを取り出しパオに渡そうとしました。
みなみ「ん?・・・おっリューじゃねーか!最近見ないと思ったら。パオ、こいつはまだ安牌だ。他の奴らじゃなくてよかった。」
トイレからハンカチで手を拭きながらみなみが出てきました。
リュー「み・・・みなみさん?!・・・(しまったな・・・)来られてたんですね。」
アリス「見たことあると思ったら、やっぱりきたののとこのだわ・・・。(でもなんで来たのかしら・・・・。)」
パオ「ですよね?・・・通して良いんですか?・・・・」
ここでリューの携帯電話が鳴ります。
リュー「はい。」
カン「よぉ、事務所寄ってるけど、おまえ今どこ行ってんだよ?」
リュー「いや、さっき兄貴から言われたとこの・・・」
カン「は?・・・そこ行くなら俺も行くって言ってんのにゴーサイ
リュー「・・・わ、わかりました。・・・でもどうしちゃったんですか?」
カン「方針が変わったんだ。頼むぞ。」
リュー「・・・はい、わかりました。」
みなみは電話をするリューをジーっと見ています。
みなみ「なんか・・・最近申し訳ないな(笑)なかなか派遣入れれなくてさ。」
リュー「いやいいですよそんなの。また気が向いたら仕事場の皆さん連れてこっちに
固まるみなみ・・・・・。
みなみ「・・・えっまさかおまえ知らないのか?・・・・バキョウは・・・・」
リュー「し・・・・知らないわけ無いでしょ、一応俺も今年から幹部なんで一緒にやってるロンから詳細聞いてます。・・・ママ!ハク
みなみ「そうか、そうかもな。給料は上がったの?・・・」
リュー「はい、平からはかなり上がりました。」
アリスが飲み物を持ってきました。
アリス「リュー、あんた突然どうしたのよ?あんたみたいなのが突然来て貰っ
リュー「みなみさんが入っていくのが見えて、少し話すことがあったので。
その場を一瞬(5秒くらい)切り抜ける事は得意な幹部でした。
みなみとリューは二人掛けの席に移動しました。
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みなみ「来ると思ったよ。」
リュー「は?」
みなみ「カンかリューのどちらかが来ると思ったよ。」
リュー「・・・・・・」
みなみ「きたのからここを調査するように言われたんだろ?」
リュー「いやぁ・・・・・」
みなみ「ここは無関係だぞ。」
みなみは煙草に火を付けました。
リュー「わ、分かってますよそんなこと・・・。」
みなみ「ちなみに・・・お前は関わってないだろうな?今きたのが血眼になって
リュー「・・・・・・」
ハツモト「へぇー、あなたがきたのさんとこの?」
奥からハツモトとにしまが出てきました。
リュー「え?・・まぁ・・・。(あっ・・・この人みなみさんの上司の人だ確か。)」
にしま「きたの・・・大勢雇ってんだな。一体こういう人間が何人居るんだ・・・。」
リュー「みなみさんともたまには飲まないと、回してもらえないですからね
にしま「君も飲み屋やってるの??」
リュー「はい、そうですよ。この後良かったら来られますか?♪ちゃんと女性もつけますから。」
にしま「社会勉強で行ってみようかなぁ♪・・・・・」
リューの声を聞いて、奥から酔っぱらったハクが躍り出てきました。
ハク「あー--っ!!やっぱ見たことある!!・・・チーさん!この前行ったお店のチーさ
チー「えっ?!・・・・ホントだ!リュー来てくれたんだね!」
みなみ「チーさんとなかよしの人ってなんだよ・・・(笑)」
チーはニコニコしながら奥の部屋からこちら側に歩いてきて、そのままリューの腕を組んで奥
リュー「おいチー!・・・ちょっと・・・今俺みなみさん達と話してんだけど・・・・。」
みなみ「モテるなぁ、リューは(笑)・・・いいなぁ・・・・・馬鹿だけどなぁ(笑)ハハ
ハツモト「おい、酔った勢いでそういうこと言うな(笑)あの人は、ほんとにきたののと
みなみ「一般向けの、安牌切る用で居るんですよ。あのタイプが。あのタイプは
ハツモト「なるほどな・・・・。」
にしま「こっちと一緒で、色んなタイプが居るって事か・・・・。」
ガチャ…
チー「早く早く♬」
リューが店に入ってから、やけにチーが嬉しそうでテンションが上がっていました。
リュー「なんだよ、何するの?スリスリするなっ・・・ちょっと・・・・あっ・・・・」
奥の部屋には・・・俺達の上司が待ち受けていました・・・・。
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・・・・・・・・・
チュン「・・・よぉ・・・・久しぶりだな・・・。リュー。」
一気に血の気が引くリュー。
リュー「・・・ちゅ、ちゅ・・・チュンさんじゃないですか・・・・。」
狩りが始まった事で、危険を察してオーラス興業ほぼ総動員で「Fan」に乗り込んでいました。
にしま「チュンさん、お酒持ってきました。」
お盆にチュンさんのお気に入りキープボトルを載せ、入り口まで来ました。
チュン「おお、ありがとう。・・・まぁ、にしまも座れや。」
にしま「良いんですか?それじゃあ・・・お邪魔します・・・。」
リュー(にしまさんまで・・・・こりゃ逃げれそうにないぞ・・・・。)
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暫く無言の時間が流れました。少し笑っているように見えましたが、急に真顔になりました。
煙草に火をつけるチュン・・・・。
チュン「・・・リューよ・・・・・・頼むぞ、お前んとこなぁ。意味分かってる?」
最初は柔らかそうな感じはしたのですが、チュンさんの顔はマジでした。
リュー「こっちも仕事でやってて。少なからず手違いがありましてですね・・・。お楽しみの所申し訳ないんですが・・・・。」
チュン「こんな意味がない所に居てもしょうがないだろ。同僚やそれに付随する
リュー「ええ、ただ飲みに来ただけですからほんとに。すぐ帰ります。あの・・・よく俺の店に来てくれるチーもここに居るし。・・・なぁチー!・・・・・・あれ?・・・もぉ居ない!!」
チーは既にカウンターでみなみとポンと話していました。チュンの所にリューを連れて直ぐに逃げていました。
チュン「ほんとに飲みに来ただけか?・・・。他の奴らに聞いたらさ・・・カンが今だいぶ仕切っ
リュー「・・・ええ・・・確かにそうですね。」
チュン「一度やれと言われたことを簡単に覆される。上司かどうかわからん
チュンさん・・・・リューの実力を知っているようなそぶりだな・・・・。
リュー「そ、それは分かってます。このまま兄貴におんぶに抱っこではやられた人間
チュン「だったら下からも突き上げる力がそろそろ要るんじゃねぇのか。や
滅茶苦茶煽られてる・・・・。
リュー「・・・ええ。・・・その時が来たら俺だって。黙ってるわけにいかねぇっすよ・・・。」
チュン「・・・にしま、お前リューの店の担当だこれから。もし、女性の働き口
にしま「え?俺がですか?」
チュン「そうだ。リューは若いし、これからきたののとこの会社を背負う世
暗かったリューの表情が一気に明るくなりました。
リュー「助かりますにしまさん!みなみさんとは俺が会社に入った頃からの
にしま「そうなんだ、最後のは知らんかったわ(笑)結構みんな
俺をリューの店の担当にすることで、少しでもきたのからこのアリスのお店を守ることが出来ると考えたかもしれません。
チュン「あとリュー・・・・最後にもう一つ言っていいか・・・・。」
リュー「はい、何ですか?」
チュン「店の外で待ってる連中
にしま「・・・ポン!」
ポン「はぁーい!!」
俺はすぐにポンから受け取った携帯をリューに見せました。
店前のカメラ映像が映し出されます。ポンが昼間にカメラを設置してくれて
リュー「いやー参ったな・・・。久々に皆さんに会って楽しくて指示を出すのを忘れて
ダッシュで店の入口に向かうリュー。
ガチャ!
外には柄の悪い黒いスーツ姿の四人組がタバコを吸っていました。
ロン「出番ですか?」
リュー「ロン!帰ってくれ!」
ロン「えっ?!なんで?!」
リュー「いいから全員連れて帰れ!流局だ流局!」
ロン「わっ、わかりましたよ!」
リュー「フリテンだ!フリテン!」
ロン「やられとるじゃないですか!まぁ・・・それをいうなら任せて良いって事ですね?知り合いの店って話でしたもんね。」
リュー「いいから、任せろ俺に。」
店からパオが出てきました。
パオ「あの、迷惑なので来るならママに連絡後にリューさんが単独で来てもらえません
リュー「もぉ大丈夫。部下を帰らせたんで。(しまったな・・・こいつの言う通り調査だけだし、ほ
ほろ酔いのみなみが店の中からマイクで叫びます。
みなみ「おい、リュー!・・・何、お前出たり入ったりやってんだ!カラオケしようぜ!」
リュー「はい!いいですよー!」
チー「デュエットしようよ♪」
このリューという男、バキョウ達が居た繁華街から少し離れた場所
しかしこういう人間は任された場所を必ず守り抜きます。リューがきたのから任されていた地区は圧倒的に
酒盛りが続きます・・・・・・・。
にしま「いや別にさ、担当になるのは良いけどあんま期待するなよ?頑張るよ?そり
チュンさんに仕事を任されて嬉しそうなにしま。
リュー「いいっすよ!色々やって頑張ってやりましょうよ!どうやってキャ
にしま「俺も俺も!明日昼過ぎから出てこれる?きたの
リュー「当たり前じゃないですか!♬なんでもやってやりましょうよ!社長
にしま「そんなことねーよ!2人で日本一の飲み屋にしようじゃないか!♪きたのは良い部下を雇ってるよホントに!見直した!!優秀だ!!みんな優秀だ!!俺がついたことでどちらに転ぶか分からないけど、この不況に一矢報いたいとは思ってるから!仕事をやる上で常に!!」
こんな若くて良さそうな人間がいるなんて、みなみももう少し早く紹介して欲しかったなぁ・・・。
久々にこんなに飲んだな・・・・・。また傍でハクが酔いつぶれてる・・・・・・。
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リューの事務所にて・・・・。
カツカツカツ・・・・
机を小刻みに叩いているカン。
カン「おい・・・・あのリューのバカタレはいつになったら帰ってくるんだぁ!
ロン「すいません!いる場所は分かっていますんで、ちょっとひとっ走り
カン「まぁもぉいいわ、あいつのことだ・・・どっかで営業とかいうものを・・・してるんだろ。それで食えてるんだから俺も社長も認めざるおえな
ロン「うす!」
カン「あのバカは困った時にはピーピー言ってくる癖に、こっちが頼んだ
ロン「うす!(早く帰れ!)」
カン(小さい拠点で平和ボケしてる連中ばかりだが、こうも他と差がある