サラマンダー・スパイラル ~ハクの島編 接見~

ハクの島編

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サラマンダー・スパイラル
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※ まとめ記事の下部に登場人物紹介がありますので、ネタバレ等配慮していますが、注意願います。

まとめ記事☆ 「サラマンダー・スパイラル」
まとめ記事です。 「サラマンダー・スパイラル」 ↓ お疲れ様です。 今回はまとめ記事第2弾です。 おかげさまで連載させて頂いております「サラマンダー・スパイラル」も20話を突破し...

 

 

トビシマ「座れこのクソガキがっ!!」

 

 

ハクの兄の部下のトビシマに蹴飛ばされ、その場に倒れ込みます。

 

 

長身の男「なんだよ、俺に言いたい事があるって・・・・。さっきみたいに急に何も言えないって事になれば、・・・・・タダじゃ済ませねぇぞコラ。ここに来るって事はそれなりの覚悟で来たんだろうな。つまんねぇ世間話は要らねぇぞ。」

 

 

激怒しています。ハクのお兄さんは激怒していました。ゆっくりと歩き、机の淵に座って足を組みました。

 

 

ノブハラ「・・・お兄さんに・・・・伝えないといけないことが・・・俺にはある・・・・。」

 

 

長身の男「お前にお兄さんと呼ばれる筋合いはない・・・。そうだな・・・じゃあ・・・・フウロさんとでも呼べよ・・・。」

 

 

フウロ?・・・・

 

 

風露組・・・・

 

 

目の前の額縁にそう書いてありました・・・。

 

そういうことか・・・・・。

 

 

ハクのお兄さんは・・・フウロさんのとこに・・・・。

 

 

ノブハラ「風露・・・・・おやっさんの親友の・・・・風露さんの・・・・。俺達の会社を立ち上げた時に居たおやっさんの相棒の名前と同じ・・・・。」

 

 

 

フウロ「・・・・オヤジ逝ったんだってな。

 

 

タバコを吸い始めるフウロ・・・・。

 

 

ノブハラ「ああ・・・。おやっさんはハクを守る為に足止めして死んだんだ・・・・。」

 

 

キリッ!!

 

 

フウロ「・・・オヤジや辺見の叔父貴、補佐のダマテまでやられて、てめぇはノコノコ逃げて来たんだな?」

 

 

ノブハラ「・・・・・・・」

 

 

フウロ「そんな奴の言う事を俺が簡単に信用するわけがねぇだろうがっ!!

 

 

再び激怒します。フウロは逃げて来たという事に対してかなり腹を立てていました。

 

 

ノブハラ「・・・・違う!逃げたんじゃねぇ!俺はペンさんからハクを守るように言われたんだ!!ハクを連れて一緒に島から逃げるように指示された!!・・・・実際俺しかボートの在処が分からなかった!!他の仲間達は知らなかった!!俺はハクを守り、島から脱出する為の要員としておやっさんの会社に入ったんだ!!」

 

 

俺だって、ハイバラを相手に戦いたかった・・・・。みんなを守って・・・華々しく散りたかった・・・。

 

 

フウロ「叔父貴がそんなぬるい指示を出すわけがないだろうが!!お前らが鉄砲玉になってハイバラに向かわなければならなかったはずだ!!」

 

 

ノブハラ「分かってるさそんな事!!ハイバラと一緒に来た部下のサキヅカとテンは倒した!!でもどうしてもハイバラは・・・・どうしても倒せなかった・・・・。」

 

 

フウロ「聞いた事ないそんなサンシタ倒して偉そうにしてんじゃねぇぞこの野郎!!・・・・おい!・・・・・お前これで腹でも切るか!?腹切って俺のオヤジや辺見の叔父貴に詫びるか??!!」

 

 

フウロはドスを差し出しました。

 

・・・・・・・

 

 

・・・・・・・

 

 

やるしかないのか・・・・でも・・・

 

 

 

俺は・・・・・

 

まだ・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

ノブハラ「わかったよ・・・・。やるよ・・・・・でもまだハイバラは生きてる・・・。俺はハクと約束したんだ!!おやっさんの仇を討つと心に誓ったんだ!!それが終わればやる!!腹でも何でも切ってやる!!」

 

 

ググッ・・・・・

 

 

ノブハラは差し出されたドスの刃の部分を握りしめました・・・・・。

 

 

血がポタポタと・・・・地面に落ちていきます・・・・。

 

 

フウロ「・・・・お前がオヤジと繋がっていたという証拠は??どこにある??」

 

 

ノブハラは内ポケットに入れていたおやっさんの手紙を差し出しました。

 

 

ノブハラ「これは・・・大事なものなんだ・・・。絶対に破らないでくれよ・・・。墓まで持っていくんだから・・・。」

 

 

フウロ「いいから、貸せ・・・・・・・・・・。見せろ。」

 

 

フウロは手紙を受け取り席に座り、ゆっくりと手紙を読み始めました。

 

 

表情は変わりません・・・・本当に読んでいるのでしょうか・・・。

 

 

フウロ「・・・・・・・・これをどこで手に入れた。」

 

 

ノブハラ「島から脱出した時に、ハクのリュックの中に入ってたんだ・・・・。」

 

 

フウロ「ここには妹と逃げろと・・そう書いてあるぞ・・・。お前な、辺見の叔父貴の言う事は聞いて、肝心な親父の言う事は聞けねぇのか?!その辺はどうなんだ?」

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

ノブハラ「逃げるわけねぇだろうが!!!!

 

 

フウロ「・・・・・・・・・・・・・・」

何故か少しだけ笑うフウロ・・・・。

 

 

ノブハラ「親父がやられて・・・・そのまま逃げて生き延びる事なんて出来るわけねぇだろうが!!!あんたさっき言ったよな?!俺の事ノコノコと逃げてきたんじゃねぇかって、そう言ってたよな!!・・・・俺は決して逃げてなんかない!!あんたが実のオヤジさんやられて何も動かないんなら、俺はたとえ一人でも行く気だぜ!!悔しくないのか!本当の家族がやられてんだぜ!!唯一の兄妹である妹まで酷い目に遭わされてるんだぞ!!!それでも他人事でずっと傍観しているつもりか?!?!それが弱き人間を助ける立場の人間の行動なのかよ!!

 

 

はっはっはっはっは!!

 

 

ギロッとこっちを見るフウロ。

 

 

フウロ「・・・・・俺はお前のその反逆に満ちた言葉が聞きたかった!!よぉし!!俺にそこまで言うならやってみぃ!!お前から先陣を切って貰うぜ。言っとくけどな、甘いもんじゃねぇからな!!うちはお前んとこみたいに甘ちゃん集団じゃねぇからな!!性根入れろ!!!」

 

 

おやっさんとそっくりでした・・・・・・。

おやっさんが昔言っていた事と同じでした・・・・。やはりおやっさんはまだこの世に生きていました・・・。

 

 

ノブハラ「やってやるよ・・・・・」

 

島で何があったのか・・・・どうやって逃げてここまで来たのか、ハクの兄に話さなければなりません。

 

 

フウロ「まず・・・誰が島に来た。ハイバラは分かった。サキヅカとテン・・それから?たった3人ってわけじゃあねぇんだろ?」

 

 

ノブハラ「・・・・イツキ、それから・・・アカマツ・・・・。」

 

 

島であったこと、アトリエの事、全てをハクの兄に話しました。

 

 

ハクの兄は所々、うん・・・うん・・と相槌をうっていましたが、一切表情は変わらず、本当に真剣に聞いてくれていました。

 

 

嘘はいけない、あったことをそのまま伝える事が一番の近道。そう自分に言い聞かせて全てを話しました。

 

 

唯一、ハクと共に自殺未遂をはかったこと。それを話した時、ハクの兄は目を逸らして深く息を吐きました。おやっさんやペンさんが死んだ話以上に反応していました。

 

 

やはり、兄だ・・・間違いなくこの人はハクのお兄さんなんだ・・・・。

 

 

この人は・・・・もしかしたら・・・俺の言ってる事を分かってくれるかもしれません。

 

 

フウロ「・・・おい」

 

 

トビシマ「はい。」

 

 

フウロ「今のこいつの話聞いたか?本当かどうか調べろ。どこに居るか調べろ。」

 

 

トビシマ「はい、直ちに調べます。」

 

 

フウロ「あと、傷薬と包帯と・・・・着替えでも用意してやれ。」

 

 

トビシマ「わかりました。・・・・おい!用意しろ!」

 

 

扉の向こうの男「はいっ!!!」

 

 

 

トビシマは凄まじい形相で部屋を出ていき、何人かの部下を引き連れ事務所前に停めてあったレクサスで出ていきました。

 

 

 

暫くハクの兄と2人きりでした・・・・。

 

 

無言のまま10分が経ちました・・・・・。

 

 

何も言わず差し出されたタバコを受け取り、火をつけました。

 

 

フウロ「・・・ノブハラ、お前・・・暫く身を隠せ・・・・。俺の知り合いの工場で働け、そこならきっと大丈夫だろう。」

 

 

ノブハラ「ああ・・・わかったよ・・・・。その代わり乗り込む時は必ず呼んでくれよ、フウロさん。」

 

 

フウロ「時期が来たら伝える。それまで待て。・・・・お前、一応言っとくけどな、絶対逃げんなよ。」

 

 

ノブハラ「逃げるわけがない。俺はおやっさんの会社の代表でここに来てんだぞ。逃げるわけがないだろう。俺が逃げたら看板を下ろさなくちゃいけなくなるだろう。」

 

 

フウロ「口だけはいっちょ前だな。」

 

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