トンズラブラザーズ ~キマリ編~

友人の話

お疲れ様です。

 

先日コーヒーショップでコーヒーを注文したら、ホットコーヒーが出てきました。

 

 

どうやら私が頼んだそのコーヒーはホットしか無い種類のものでした。

 

アイスが飲みたかったぁ~・・・・・・

 

エイルです。

 

 

先日公開しました私の友人のあっちゃんが主人公のトンズラブラザーズの記事ですが、なかなか好評でした。

 

本当にありがとうございました。

 

 

しかし私の周りの「逃げ達人」は決してあっちゃん1人ではありません。まだまだ序の口です。

 

前回までの記事はこちら

トンズラブラザーズ ~あっちゃん編~
お疲れ様です。 今日は少しだけ社会派なお話をしないといけない、エイルです。 人間ひとりひとりにそれぞれの生活があり、人生があります。 人の数ほど笑いや喜びがあり、時に悲しみもあります。 そして人の数ほど「...

 

 

 

今回は私の友人のキマリさんのトンズラぶりを今日は紹介していこうと思います。

 

 

彼は高校の時に出会いました。バスケットボールを辞めた所から急激に私達は仲良くなりました。実は今日も一緒にランチをしてきました。

 

 

キマリは中学時代から毎日のように部活でバスケットボールをやっておりましたが、高校時代に一身上の都合により辞めています。まず彼のポイントここでもう既に一発トンズラをかましているということ。これが大トンズラの始まりでした。

 

 

互いの家にお邪魔するようになり、日に日に親交を深めていきました。

 

 

3年生に進級し、キマリは早々に就職が決まりました。

 

 

私や周りの友人もそれに関しては非常に喜んでいました。友人の進路が決まればそれはそれで嬉しいものなのです。

 

 

私「よかったじゃん♪」

 

 

いとうし「決まるの早いなぁ。この勢いなら出世も早そうだな♪

 

 

キマリ「受かったわー、これから遊べるなー♪よーし遊ぶためにお金貯めるぞぉ♪」

 

 

ホームルームの際にこんな会話をしていました。

 

 

担任「みんな席着いたか?・・・・就職決まった者についてはこれから就職先の企業に対してお礼状を書いてもらいます。今から専用便箋を渡します。この時間を使ってもよいし、休憩時間に記入してもいい。とにかく出して下さい。」

 

 

みんな一生懸命書いています・・・・・。

 

 

普段、馬鹿ばかりやっていた同級生達もこの時ばかりは真剣です。

 

 

私(・・・・みんなこんなに集中して書くことが出来るんだ・・・・。見直したわ・・・・。社会人になる人間はやっぱ違うぜ・・・・。俺も早く進路決めないと・・。こういう姿を見るといい感じのプレッシャーが伝わって来て・・。・・・・・・ん?・・気のせいか・・・・いや・・・・・んんんん?????

 

 

 

私は左隣の窓際の席を見て驚愕しました・・・・。

 

 

 

ぽぉぉ~~~~~・・・・・・・

 

 

他の同級生が一生懸命便箋に向かっている中、キマリは机の端っこに便箋を置いたまま、本当にぽぉぉぉ~っとしていました。赤ちゃんに戻ってしまったのでしょうか?

 

 

キマリ「ぽぉー-----」

 

 

私・いとうし「はぁぁぁ?!

 

 

これが所謂精神的なトンズラです。

 

 

今、いやこれから何をするか向かうべき所がわかっていないのです。これからの社会人人生に対して完全に目を背けているのです。

 

 

今まで類まれなセンスで乗り切ってきたキマリは、窓の外、そして一生懸命な同級生を傍観して1時間何もしない奇行、完全に無駄な時間を過ごしていました。

 

 

私の周りの友人達であるいとうし、いっしープロ、ベアも次々に進路が決まり、最後に私も進学先が決まり、いよいよ私の周りはフリーダムな感じになってきました。

 

 

進路が決まれば自動車学校に通っても良いという特設ルールが発生しました。特に就職する人間で職種によっては、運転免許を取らないと仕事にならない職種もありますし、進学する人間も家からどうしても車で通わないといけない人間は通学が出来なくなりますので、これはOKとなります。

 

 

いち早くいっしープロ、いとうしはこの特設ルールを使って自動車運転免許を取得していました。

 

 

先に免許を取ったいっしープロの車に乗り込み、これでもかという位遊びまくる5人・・・・・・。

 

 

いっしープロ「乗ってけみんなー!!♪」

 

全員「おー--!!!♪」

 

ベア「すき家いこうぜぇぇぇぇぇ」

 

 

 

 

私、人生の中でもこの進路が決まったこのフリーな数か月間・・・・・ピカイチで楽しかったです。

 

 

・・・しかし、ここで頭の良い人は分かると思います。エイルさん、ちょっと不思議なのですが・・・と疑問視していると思います。楽しいのは伝わって来て分かるのですが・・・変な違和感があるんですよね。

 

なんなんだろう、この違和感・・・・。

 

 

心にひっかかっていると言うか、なんというか・・・・。

 

 

 

 

キマリさんは就職がいち早く決まったのに、運転免許取得してないんですか?

 

 

この疑問が出てきます。

 

 

私が学生の頃は特にですが、就職=自動車免許が必須という所が多かったように感じます。というか就職すると忙しくなるので、学生のうちに免許を取っておこう。そういう考え方です。

 

 

キマリは自分の会社のお金を使って、誰よりも早く、いち早く自動車学校に入校していました。

 

 

しかし、フリーダム期間に入り、みんなとの遊びが楽しすぎて徐々に自動車学校をサボるようになっていたのです。

 

 

それにしても7月くらいに入校して、今はもう3月4月には就職先でお世話になるのに未だに「仮免許」すら取れていません。

 

 

これはもうトンズラ確定でしょう。

 

 

結局、キマリは自動車学校でトンズラをかましました

 

 

 

4月上旬。

 

それぞれの新生活が始まりました。

 

 

楽しく遊んでいた友人達とも一時的にお別れです。

 

円陣を組みます。

 

私「みんな、これから新しい生活が始まる。これから急激に大人になっていくけど、是非この時代の事を忘れないようにしようぜ。この高校生活があったから今の安定した生活があると、そう思える人生にしていこう。つらい時はみんなで悪ふざけしていた時代を思い出して、向かった先の結果はどうであっても再びみんなで集まる事を目標に過ごしていこう。約束だ!!」

 

 

全員「おう!!またなみんな!!」

 

全員バラバラの方向に歩いていく5人・・・・・

 

 

私はこんな事は言っていませんし、なんだったら円陣すら組んでいませんが口に出さないだけで、心では全員そう思っていました

 

 

 

キマリの背中がなんか寂しそうでした。

 

 

キマリ「ぽぉー-----」

 

 

私「・・・・・・・・・・」

 

全員「・・・・・・・・・・・・」

 

 

数日後・・・・・・。

 

 

 

 

キマリの会社の入社式が終わり、各部門の上司から呼び出されます・・・・・。

 

 

上司「入社おめでとう!みんなの門出に立ちあう事が出来て、私も嬉しいです。これから同じ会社の一員として一緒にこの業界を盛り上げていきましょう。」

 

 

キマリ・その他の同期「はい!」

 

 

上司「えー--っと・・・・キマリ君はたしか・・・・寮だったね??」

 

 

キマリ「はい!社員寮でお世話になります!宜しくお願い致します!」

 

 

上司「じゃあ、キマリ君に寮の場所を伝えるから自分の車に乗って駐車場で待っていてくれないか?総務担当者と一緒に行くから。その時に前泊したホテルの領収証も用意しておいて。」

 

 

キマリ「え?!車ですか?・・・私免許持っておりません!!」

 

 

上司「はあぁぁぁぁ?!

 

 

周りに居た人間全員ビックリしてキマリの方を向きます。

 

 

キマリ「いや・・・そう言われましても・・・・。」

 

 

上司「き・・・キマリ君・・・。いや事情があるなら仕方ない。それは良いんだよ。」

 

 

キマリ「はい・・・・・。」

 

 

上司「入社説明の時に総務の担当者から寮で生活するのであれば車は必須だと説明したよね??その理由も説明してたよね??」

 

 

キマリ「あっ・・・それでは・・・自転車買います!!」

 

 

上司「馬鹿言っちゃいけませんよ。会社の寮は、この会社から15kmも離れた山の中にある。バスも電車も通っていないし、周りにコンビニも食事をする所もない。無名メーカーの自動販売機が寮の入り口に唯一あるくらいだ。」

 

 

キマリ「えええ?!・・・・ふ・・・不便すぎる・・・・。」

 

 

みんなより早々と就職が決まった関係で、入社説明会もかなり前の話であったので、完全にその寮に入居する上での注意事項を忘れていたのです。

 

 

上司「毎日自転車・・・まぁ確かに君は若いし確か・・・以前は長いことスポーツもしてたと聞いた。だからそのやり方で通勤出来なくはないけど仕事が始まる早朝強制残業が終わった夜中にかなりの距離を自転車を漕ぎ続けなくてはならなくなるよ。競輪選手を目指すのかな?へへっ♪」

 

 

上司がボケてくれたおかげで少しその場が落ち着きました。

 

 

キマリ「が・・・・頑張りますよ僕は!そんな事ではへこたれません!!」

 

 

きっぱりとキマリは上司にそう言いました。

 

 

直ぐ横で話を聞いていたと思われる総務課の担当者がやってきました。

 

 

総務「少し話に入らせて貰っていいですか??・・・・・・キマリ君、私はね君のプライベートまでは入らないが、やはり仕事をする上での健康管理もしなくちゃいけない。だから産業医もつけているし、何かあった時にそれなりの治療が受けられるように保険も入っている。給与も払います。・・・・言っとくけど仕事に慣れるまで体はかなり疲れるよ?ヘトヘトになって退社して、そこから自転車に乗って人里離れた山の中の寮に帰るなんて、とてもじゃないけどずっと自転車通勤は認められませんよ。とにかく寮に居る以上、直ぐに自動車学校に通う裁断をしなさい。免許を取るまでは体力的には苦労すると思いますが、これは地元で免許を取得してこなかったあなたが悪いですからね。良いですかキマリ君、これ冗談じゃないですよ。人から言われた事を直ぐにやるのか出来るまでやるのか、サラリーマンとしての資質を今早速問われていますよ。」

 

 

キマリ「あ・・・相乗りとかさせて貰えないですかね?」

 

 

総務「あいにく、その寮は君1人なんだよ。それに相乗りで通勤する人間が居ると思う?許可もしませんよ。・・・それに帰りはどうすんだよ??行きはともかく、帰りの時間まで同じなわけがないだろ。バスも電車も無いと言っただろ。ひょっとして歩いて帰るつもりか??」

 

 

 

キマリ「あーもぉわかりましたよ!ヒッチハイクでもなんでもしていきますわ!」

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

キマリさんは4か月後・・・・その会社をトンズラしました・・・・・・。

 

 

キマリ「いとうし、ただいまー♪」

 

 

地元に残ったいとうしの元へキマリは走ります。

 

 

いとうし「はあぁぁぁ?!・・・いやお前もう帰って来たのぉ?!・・・まぁ別にいいけどさぁ。」

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