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それから何日か、日々が過ぎていきました。
鏡の前でスーツを着ているにしま。
スーツと靴を新調し、気分一新頑張ろう。これは冬物のスーツ。また夏になれば新しいスーツを買って、その夏もまた気分一新頑張る事が出来るのでした。
同居のスコティッシュフォールドの「ピン」に餌をやり、今日も相棒の車を運転し出勤です。
猫は苦手でしたが、直ぐに慣れました。今では可愛くてしょうがありません。不思議なもので、もう家族なのです。
みなみ「昨日情報が入ってわかったんだけど、先日のマンダがよ、どうも怪我で入院しちまったらしいんだよ(笑)悪い事をすればまぁこういう事になるよな、やっぱ神様は見てるわ(笑)」
車中でタバコを吹かしながら話をしている2人。
にしま「お、マジで?(笑)怪我か・・・」
それって・・・・。
みなみ「ちょっと出勤前にさ、お見舞いに寄ってくるから、お前先に職場に行っといてくれよ。」
にしま「お見舞い?・・・・それなら俺も行くよ。」
みなみ「いいよいいよ、俺一人で行ってくるから。にしまは先に会社に行っといてくれ」
にしま「俺に気を遣ってんのか?(笑)どこの病院なんだ?行こう。この間の話も決着付けないとな。まだ俺の中でモヤモヤしてんだわ。」
先日うちの会社に難癖をつけてきたマンダが怪我をしたというのです。ということは、怪我をした姿を見に行かなければなりません。
町の大きな病院でした。話を聞く所によると、便利で気を遣わなくてよい個室に入院しているそうでした。
個室の引き戸を開けるみなみ。
みなみ「おうマンダ。個室じゃねぇか、金持ってる会社は違うなー。」
マンダ「・・・・ひぃ!みなみ!!」
先程迄少し笑顔であった様子でしたがみなみの顔を見たら途端、表情が一変するマンダ。ベッドの横にはマンダの会社の社員が2人座っていました
骨折をした様子でした。
みなみ「なんか人から聞いた話だと結構な事故だったと聞いたぞ。左足と鎖骨だけでよかったな。」
にしま「いい個室じゃないか。」
ブラインドカーテンを閉めるにしま。
マンダ「お前ら!・・・・やりやがったな!」
みなみ「はぁ?・・なんの話だ?・・・今日はお見舞いに良い物を持ってきてやった・・・・。見舞いに来たのに、手ぶらじゃいけねぇからな。ほら。」
みなみは封筒をスーツの内側ポケットから取り出しました。
マンダ「お・・・・・お前ら!ちょっと出て行ってくれ!」
マンダの社員が俺達の顔を睨みながら病室から出ていきました。
にしま「相変わらず無口な社員だなぁ・・・・。大手だから胡坐かいてやがる。」
マンダ「な、・・・なんなんだその封筒は?・・・」
みなみ「お前、わかってんだろ。これがなんなのかを。」
封筒を開けると、バサバサと床に・・・・百枚近い写真が出てきました。
その写真は、マンダの不倫現場を撮った写真でした。女性と待ち合わせてる写真、温泉に入っている写真、肩を組んでホテルに入っていく写真・・・・他にももっと濃い内容の写真が入っていました・・・・。
にしま「・・・あんた妻子持ちじゃなかったけ?だったら仕事だけしてりゃ良いってわけにはいかないよな。」
マンダ「これは!!・・・いくらだ?・・・・。」
顔から血の気が引きました。あまりにも心当たりがありすぎたようで焦っていました。まさかみなみにこの件が伝わっていると思わなかったのです。
みなみ「・・・はぁ?お前何言ってんだ?」
マンダ「い・・・いくらでその写真を買わせてくれるんだ?!」
みなみ「金なんか要らねぇよ。お前の奥さんって確か工場の利権を持ってるどっかの議員だったな。」
マンダ「だったらなんなんだ!!」
みなみ「・・・これで終わりだな。お前の会社からその工場や公的な
みなみは少し笑いながら煙草に火を付けました。
にしま「この一件もそうだけど、きたのから聞いたぞ?あんた散々俺達の会社の悪口を言って回ってるらしいじゃねぇか。どういうつもりでそういう事やってるんだ?」
マンダ「・・・言ってねぇだろそんなに!!」
にしま「こっちは真っ当に商売してるんだが、あんたのその一言でこっちはどれだけ被害を被ってると思ってんだ。」
マンダ「悪かったよ・・・・・。」
にしま「え?何聞こえない・・・」
ブチっ!!!・・・・
みなみの中で何かが思い切り切れました。
みなみ「はぁ?!・・・なんだそらお前・・・・頭が高いんじゃねーのか!?そういう教育なのかよお前んとこの会社はぁ!!!」
みなみは煙草を握りつぶし、椅子を蹴り上げました。
マンダ「したくても・・・・カテーテルが・・・・股間に・・・・。」
尿管カテーテルがささっていました。
みなみ「抜きゃいいだろうがそんなもん!!手動くくせに口だけ動かしてんじゃねーぞこの野郎!!・・・俺が抜いてやるよ!!・・・えー-っと・・・・これか?!これだな!!」
マンダ「やめ・・・お願いだから・・・」
管にみなみの手がかかります。
にしま「そういえばあんた、きたのがみなみにどうのこうの言ってたよな。
マンダ「何もないです!!!きたのとみなみさんは何もないです!!!」
みなみ「何もないってなんなんだこの野郎!!この前の勢いはどこ行ったんだよ!!じゃあ抜くぞ!!」
マンダ「・・・正式に謝りに行く!!退院したら正式に!!会社として謝罪に行く!!な?これで許してくれるだろ?!・・・・」
にしま「形式ぶらずに、ちゃんと本心でやってくれよ。先に変なやり方で脅してきたのはそっちなんだからな。・・・きたのにまで手を出すなんていい度胸してるじゃねぇか。」
みなみ「俺は前にも言ったけど、謝罪しても許すつもりは無い。会社に謝るのなら、幹部のチュンさんとハツモトさんにしてくれよ。俺は平社員だ、まだ会社の人間では無いからな。・・・なんか少しだけ反省してるみたいだし、この写真はオ〇ズとしてマンダに預けとくわ、入院生活暇だろうし(笑)煮るなり焼くなりしていいぞ、データは俺がしっかりバックアップまでやって持ってるから、欲しけりゃ何枚でも焼き増ししてやる。・・・笑顔で退院なんかできると思うなよこの野郎。」
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その夜、さびれた横丁で小さいバッグを持ち、早歩きで歩いているバキョウの姿がありました・・・・・。
バキョウ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
急に目の前にきたのの会社の幹部カンが現れました。
バキョウ「・・・兄貴っ!!!・・・」
カン「おい、・・・お前仕事に行かずどこに行こうとしてるんだ・・・。」
慌ててバキョウは振り向きました。
バキョウ「オカ・・・とソウマ・・・・」
後ろには2人のスーツ姿の男が立っていました。挟み撃ちです。