これまでのお話はこちら
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※ まとめ記事の下部に登場人物紹介がありますので、ネタバレ等配慮していますが、注意願います。
テン(道具持ってやがったか・・・・)
背が低い長髪の男が歩いていました。
ハイバラの部下のテンは指示通り海外沿いを歩いていました。
もうすぐで、反対側の海岸に着きます。
銃声が各所で聞こえている為、辺りを警戒しながら進んでいました。
ここで、ハイバラから連絡がありました。
ハイバラ「・・・おい、そっちはどうだ?」
テン「山を右回りに回って海岸につく所ですが、誰とも会いませんでした。こちら側は山ばかりで民家1つありません・・・。」
元々イツキからは、ハクの陣が山に居る事が濃厚と聞いていました。どちらかというとテンの仕事は、この島の山を越えた先に何があるのか、そちらを調べる事の方が大事でした。
ハイバラ「俺も今そちら側に向かってる。見つけたら殺せ。」
テン「分かりました。引き続き捜索します。」
・・・・ピッ!
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
ハク「・・・・動くな!!」
テンの後ろにはピストルを構えたハクとノブハラが立っていました。
テン「・・・・・」
ゆっくりと無言で後ろを向くテン・・・。
ノブハラ「よぉ・・・・久しぶりだな・・・・。悪いがお前には痛い目に遭って貰うからなこの野郎・・・。」
真っすぐとテンの方を見るノブハラ・・・・。
テン「・・・なんだよ・・・撃ってみろよ・・・・。」
テンはピストルを構えているハクの姿を見て笑います。
ハク「・・・・・・・」
テン「・・・できねぇのか・・・・。それならそんなあぶないもんを・・・・」
ハクに詰め寄るテン・・・。
ガシッ!!
ハクとスライドしてピストルをとるノブハラ・・・・・。
パン!!パン!!!
そのままなんの迷いもなくテンの足を撃ち抜きました。
テン「うあああああああっ!!!!!・・・・」
その場で崩れ落ちるテン・・・・。
テン「・・・くっそ・・・てめぇ・・・・・。俺に手を出すとはいい度胸してるじゃねえか・・・。」
岩影からダマテとハネダが出てきました。
ダマテ「ノブハラの兄貴の店をよくもやってくれたな・・・・。」
テン「ノブ・・・・ハラ?・・・・あぁ・・・てめえはあのバカ経営者の弟か・・・・。」
ダマテ「・・・は?・・・・バカはお前だろテン!!」
・・・ズバン!!!
ダマテは持っていた日本刀でテンの左腕を切り落としました。
テン「・・うああああああ!!!!・・・・・だ・・騙される方が悪いんだよ・・・・当たり前じゃねぇかそんなこと・・・・。あんただってわかってんだろ?!立場変わればいい気になりやがって!!ダセエ野郎だぜ!!・・・おい・・・・・や・・・やるなら早くやれ!!・・・・」
ノブハラ「てめえらさえ居なければ・・・・。兄貴は・・・・・・。・・・連れて行こう・・・みんな手を貸してくれ・・・。」
ノブハラはいかっています。今までに見たこと無いくらい怒っていました。こんなノブハラの顔を今まで見た事はありません。
テンを全員で引きずって、近くにあった海蝕洞へ放り込みました。
・・・・・・・・・・
バシャーーン!!!
テン「・・・う・・・うっぷ・・・あぷ・・・。」
足を撃たれて全く動けないテンは水中でのたうちまわっています。
ノブハラ「ここはよくサメが来るんだ・・・・。お前のこの血の匂いに誘われてやってくるサメに、食われながら死ぬといいさ・・・・・。」
テン「・・・・お前・・・・ブクブク・・・うっ・・・・地獄で待ってるからな・・・・。逃げ切れると・・・思うなよ・・・。俺達は一生・・・・お前達を追いかける・・・・。」
バシャバシャ・・・・。
ノブハラ「・・・・・くたばれ・・・・・・・」
ハネダ「・・・波の音で何言ってるかわかんねぇぞ。」
ハネダはロープで岩に括りつけて完全にテンを動けなくしました。
ダマテ「さぁ、・・・・行こう。」
ハク「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
山から下りる寸前でハイバラの部下であるテンの姿が見えた為、ボートを探す前に倒す必要がありました。
テンはノブハラにとって因縁の相手でした。兄に悪い金貸しを紹介し、最終的に騙した男でした。そのおかげで兄は店を失い、その上酷い目に合わされたのでした。
そんな極悪人は魚に食われればいいのです。
ノブハラ「ハク・・・・。」
ハク「え?・・・」
ノブハラ「容赦するな・・・・。一歩間違ったらマジでやられるぞ・・・・・。誰を相手にしてると思ってるんだ・・・・」
ハク「ごめん、・・・・ノベタン・・・・・。」
ダマテ「もう島で沢山の死人が出てる。ここまでやると収拾がつかないはずだ、容赦している場合じゃないぞ。俺達とあいつらの戦いなんだ。避けて通る事は許されない。」
私達と父の元部下との戦い・・・・・・。それは島全体を巻き込む凄まじい戦いになりました。終着点がどうであれ、この悲しみからは逃げる事は出来ません。
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・・・一度私はこの島を振り返って、この島の姿を確認しました・・・・。この島は私の人生そのものでした。最後、こんな形で関わった人間すべてに悲しみが降りかかってしまった事が残念でした・・・。お礼を言うべきなのか、或いは恨むべきなのか・・・どちらが正しいのでしょうか・・・。
急に雨が降ってきました・・・・。今晩は大雨の予報でした。この雨が吉と出るか凶と出るか・・・・。恵みの雨となるかどうか、この時の私達には知る由もありませんでした。