スポーツ王にも諦めないといけない日があった!!

スポーツの話

お疲れ様です。

先日、子どものエイルジュニアと焼き肉に行った時に、やたらと沢山食べるようになり、会計を見た時に度肝を抜かれてしまったエイルです。

美味しいものは美味しいという事がわかったようで、それをひたすらにジュニアは食べていました。

 

今日も我らがスポーツ王にしまさんの話です。今回のお話は2022.03.10に更新した「雨の日に、スポーツ王が泪を流した日があった」を確認後にお読み下さい。

 

 

一度何かスポーツを始めると、何が原因になるのかわかりませんが、やはりどこかで辞めないといけない日がやってきます。加齢なのか、或いは怪我なのか、他のスポーツに切り替えるのか、単純につまらなくなったのか、根性が無くなったのか、家の事情なのか、コーチや監督に転身するのか。もっと具体的な部分は私の知る所ではありませんが、必ずどこかでプレイヤーとして続ける事を諦めないといけなくなる日がやってきます。1つの事を一生続けるというのはとても難しい事なのです。

 

にしまさんは若い頃、腕の骨を折る大怪我をしました。完治後も柔道をガンガンやっていました。しかし、その傷は選手生命を脅かしました。

最初は怪我を隠し、騙し騙しやっていましたが、徐々に以前のスタイルの柔道が出来なくなってしまいました。それでも諦めず手法や戦術を変え、試行錯誤し続けていましたがそれもなかなか上手く行かず、結局そういう自分に納得ができず、引退を決意しました。

ゲイの先輩(オオホリさん)や他の仲間達とのお別れの日がやって来ました。

 

オオホリ「にしま、ホントに辞めるのか?」

にしま「はい、辞めます。ありがとうございました。本当に公私ともにオオホリさんにお世話になり、感謝してます。」

にしまさんの顔には迷いがありませんでした。

オオホリ「にしまの実力なら辞めなくてもいいのに。コーチやトレーナーもダメなの?」

にしま「この年齢で引退するので、それも少し考えましたが、自分の柔道に納得がいきませんでした。もしかしたらもぉ限界なのかもしれません。オオホリさんのご期待に沿えず本当に申し訳ありません。」

オオホリ「そっかぁ・・・・。まぁ、またいつでも遊びに来てね。泊めてあげるから」

にしま「・・・・・」

泊まりは結構でございます。行くなら日帰り予定です。日帰りでよろしくお願いします。

 

仲間達に別れを告げた後、電車に乗り実家に戻りました。

友達のみんなは元気にしてるだろうか・・・。もぉ随分帰ってなかったからなぁ・・・。俺の事なんか忘れてるかもしれないな・・・・。

久々に吸う地元の空気・・・・。あの改札に居る駅員さんも、駅内のうどん屋の大将も変わっていませんでした。

せっかくなのでここでご飯を食べようと思いましたが、地元に帰ったにしまさんは・・・・。

如何せんお金がありませんでした。一切お金が無かったのです。自慢ではありませんが、その駅に居る人間の中で、誰よりもお金を持っていませんでした。

いつか稼いで食べるからな・・・・このお店絶対潰れるなよ・・・。

今日は我慢して脇目もふらず家に帰る事にしました。スペックは柔道着だけ担いでいる無一文の青年でした。

 

しかし、いざ帰ったのは良いのですが、何もやる事がありませんでした。仲のいい友人は全員この町から出て行っていました。完全に独りぼっちになってしまいました。

子どもの頃に教わった先生の道場に顔を出そうと思いましたが、一度辞めた人間が、直ぐにまた道着に袖を通すなんて、そんな中途半端な精神の人間が子ども達に柔道を教えてはいけない、自分がもしその道場の子ども達なら、そういう人間から柔道は教わりたくないと思ったのです。

にしまさんの中で柔道に背中を向けるという事は、そういう厳しい決意があってのことなのです。

室内で悲しそうな表情のにしまさん。

にしま「・・・・・・・」

慣れ親しんだ柔道着は、押し入れの奥深くにしまいました。

これまで本当に柔道漬けの毎日でしたので、柔道が無くなると、やる事が一切無く、何をしていいのかわからず、暫く虚空状態でした。なんとかこの状況を変えたかったので、お金は有りませんでしたが、町に出かけることにしました。

幼少の頃から住んでいる町でしたので、町には知っているお店が沢山ありました。

この店がまだある、この店が無くなった、新しいチェーン店ができた。町中も、なんだか町の雰囲気も暫く見ないうちに変わったなぁ・・・。しかしそんな散歩は長続きしませんでした・・・・・。結局半日で家に帰ってきてしまいました・・・・。

地元に帰って来て話したのは唯一、以前に2、3回だけお邪魔したことがある雀荘のオーナーさんでした。オーナーさんが店先を掃除していた為、話しかけました。

あまりにも人と話していないので、いざ声を出そうとすると常に痰が絡んでいました。

 

それから暫く家に居ましたが、父親は相変わらず忙しく家を空けており、下の兄弟は学校に通っていましたので、夜の数時間は一緒に過ごす時間はありましたが、夜が明けるとまた直ぐに一人になってしまいます。引退後は優しさなのか、かなり家族から気を使われており、こっちから声をかけないと誰も話してくれませんでした。家の外でも中でも一人でした。

 

地元に帰り、ほぼ何もせずに4日が経ちました。昔録画していたお笑い番組を見ていました。

にしま「ははっ!・・・・ははっ!!」

・・・あー-あ・・・・。

 

ピーーンポーーン・・・・

突然、インターホンが鳴りました。

にしま「ゴホン!・・・はー-い」

痰が絡むといけないので必ず話す前には必ず咳払いをする癖が出来ていました。

ガチャ!

扉を開けると・・・・・

 

「よっ。」

そこには綺麗なスーツを着た友人の「みなみ」が立っていました。

にしま「おっ・・・・みなみ!!誰かと思えば・・・。」

みなみ「久しぶりだなぁにしま。これおじちゃんに渡しといてくれ。」

みなみはお酒と土産を持っていました。

にしま「お・・・・おお・・・ありがと。」

みなみ「誰も居ないんだろ?上がっていいか?」

にしま「あぁいいよ。」

久しぶりにみなみが家にやってきました。

みなみ「しっかし何年かぶりに遊びに来たけど、この部屋も懐かしいなぁ。よく見たら・・・・にしまの部屋って四畳半だったんだな。・・・・畳の数を数えて、この部屋が四畳半って事がわかる、・・・本当に俺達は大人になってしまったな・・・。まぁそんな事はどうでもいいか。よし、煙草でも吸おう。」

にしまさんの部屋のちゃぶ台を囲んで座る2人。

みなみが持ってきた煙草に火を付けるみなみとにしまさん。

・・・・みなみか・・・・しかし・・・・どこの誰から俺がここに帰ってきたって聞いたんだろう・・・。

 

 

続く・・・。

にしまさん「まっだまだ続くで!!初めての続きもんシリーズなんやで!!」

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