絶対に必要な〇〇感を追い求める男達の物語があった!!

お酒の席で

お疲れ様です。

子どものエイルジュニアが学校で、先生が家族のことについての質問をして、それを生徒達が答えると言う授業があったそうでした。

お父さんはお酒を飲まれすか?

ジュニア「はい、めっちゃ飲みます。」

お父さんの好きな食べ物はなんですか?

ジュニア「お酒です。」

 

 

固体を答えるターンなのに液体・・・・。でも・・・そういうイメージなのか・・・・。イメージを植え付けてしまった自分が悪いです・・・・。

コロナ禍で家でお酒を飲む事が大変多くなったので、完全に飲兵衛のイメージがエイルジュニアに染みついてしまっておりました。

 

昔はよく友人達と一緒に飲み歩いていたことを思い出します。本当に多くて週4くらいで行っていました。明日が仕事だろうと、明日葬式があろうと、関係がありません。お金が尽きるまで行っていました。

居酒屋→スナック→スナック→バー

お金が沢山あれば居酒屋→スナック→スナック(時にキャバクラ)→〆のラーメン

という、大体このパターンでハシゴをしまくっていました。

しかしある時からハシゴを完全にやめて・・・・

居酒屋→スナック

の非常に単純なアルコールサイクルを過ごすことになります。その原因となる出来事がありました。

 

 

あれからもぉ10年以上経ちますが、仲間内であの頃みんな行っていた飲み屋の話をすると、間違いなく全員口を揃えて言うのは・・・・・。

 

やっぱ、どう考えても「なっちゃん」でしょう。

面白キャラで「おまめ」というのも居ましたが、ほぼほぼ全員なっちゃん一択でしょう。

 

当時友人のいとうし、なおき、きむと私の4人でしょっちゅう飲み歩いておりました。

他の友人は自営や県外に出ていた為、県内に残った都会を知らないこの混じりっ気のない仲間でお酒を飲みまくっていました。

本日も特に決めている飲み屋さんが無かった為、4人で相変わらず変な話をしながら、ドラゴンクエストのように歩いておりました。

勇者不在の遊び人4人というラスボスを倒すのには超絶厳しいパーティでしたが、レベル20でダーマ神殿到着を目指して今日も歩いていました。

 

その日はいつもの飲み屋街のメイン通りを歩いていましたが、とあるビルの前で、客引きをしているのか、或いはしていないのか、待ち合わせをしているのか、でも携帯電話は一切かまっていない、前だけを向く、何をしているのかよく分からない真っ白な清潔な洋服を着た女性が立っていました。

パッと目が合うと、向こうも「お店決まってますか?」的な顔でこちらを向いていました。(的な顔をしていただけで、言ってはいません。)柄物の洋服を着た私達はピタッと立ち止まり、・・・・・何故かその女性に吸い寄せられるかのように、ウォーキングデットのようについて行っていました。

ゾロゾロゾロゾロ・・・・・・

 

2Fにあるピンク色の看板のお店に案内された為、みんなで中に入りました。

そのお店は決して新しくはありませんでしたが、白を基調としたそこまで広くない店内の小綺麗なお店でした。恐らく勤めている女性たちが毎日きちんと掃除をしているお店だったと思われます。

すぐにグラスにお酒を入れて、いつものように飲み始めました。

かんぱー--い

 

・・・・・・・・

特にいつもと変わりはないワーワーやる飲み会でしたが、何故か凄く居心地がよかったです。

・・・・・・・・・・

はー-・・・・・・・あーあ・・・・。

帰りたくないなぁ・・・・・。

・・・・・・・・

なんでだろ?・・・

自分なりに考察をすること2時間・・・・・。

帰りたくなくなる理由が分かりました。

 

・・・・そのお店、感覚的に少し表現がしにくいのですが、とてつもない「家感」があったのです。滲み出ていました。別にそこで寝ても問題がなさそうな雰囲気です。家に帰ってるんだし、寝よっかなーってなってしまいます。おやすみぃー♪

ここで飲み終えたら全員家に帰るのに、この圧倒的な家感を全員が求めていました。

暫くその場所に居ると・・・・だんだん家感が出ている理由が分かりました、その女性から出ていたのでした。それがなっちゃんです。

それからというもの私達は、家感マイナスイオンが出ているなっちゃんのお店に足しげく通う事になりました。

脳内麻薬でしょうか。パチンコでもしているのでしょうか。気づけば全員がこの不思議な空間に居心地の良さを感じていました。

何故かよく分かりませんが、毎回なっちゃんが乗ってる車を当てるゲームをみんなでワーワー盛り上がってやっていました。今日こそは当てるぞー!!・・・ですが難しくて全然当たりませんでした。でも、もぉなんでもいいんです。日産のマーチでいいんです。マーチかゴルフでいいんです。

 

私がここでいい表現を思いつき、店に対して少し失礼な事を言ってしまったかもしれませんが、その場の全員がやけに納得しました。

私「なんかさ・・・ちょうどよくない?このお店。」

いとうし「それだわ」

なおき「いやほんとにちょうどのパターン。」

きむ「だから、また明日もこよっと。」

なっちゃんは自分の意見を言わず、こちらが何を言っても笑っていました。下ネタを言ってもなびくことは無く、ビクともしませんでした。別にごく普通に過ごしていたと思いますが、それはきっとこの仕事を選んだ時にはもぉ決めていた事なのでしょう。

またお店来てとか、今飲みに出てる??とかそういった営業メールや連絡も一切ありませんでした。普通連絡先を交換したら、私的にそういうやりとりがあって然りかと思っていましたが、とくにありません。

あれ?なんでそういう連絡がないんだろう・・・・・・・よーし、今日はこっちからメールしてやろうという事になっていました・・・。

 

完全に向こうの術中にハマってしまっておりました・・・・。

 

 

ある日、友人のいとうしがみんなでなっちゃんの誕生日にエロ手解き本みたいな物を買おうと言って、インターネットで購入していました。

その時はみんないいねいいねと笑っていましたが、今冷静になって考えてみると、・・・

 

 

俺達は一体最終的にどうしたいんだ。

 

 

本が届いたその日に持って行って渡すと、「家で読むね、ありがとうみんな」と言って大事そうにその本を抱えて今日も笑っていました。

いとうしはそのなっちゃんのリアクションをただただ真剣にジッと見ていました・・・・・。

私・なおき・きむ「おい・・・・・・まぁいいか別に・・・・・」

 

・・・・・

 

 

 

それから何年か経ち、みんな結婚やなんやかんやで忙しくなり、大きく環境が変わりました。本当のその家感を自分で作っていく立場になってしまっていました。その為か分かりませんが、少しお店に通う頻度が落ちてしまいました。

私はたまたまなおきと一緒だったか、会社の後輩を連れて行った時だったか、よく覚えていませんが、なっちゃんから「結婚することになった」と聞きました。

ブーーーー!!!(ビックリしてお酒を吹き出す音。)

私「え?!マジで?!・・・おめでとう!!いつすんの?」

すると、少し照れながらおもむろに左手の指輪を見せてくれました。

私「・・・・もぉしてるっ!!!高そうな指輪!!」

ついでに頑張って家も買っちゃったと言っていました。

凄いなぁ・・・・。俺達の環境が変わっただけかと思ったら周りも変わっているわ・・・・。

 

 

それから間もなく、そのプラチナを得たなっちゃんは退職しました。

 

 

後で聞いたら、何故か唯一いとうしにだけ「なっちゃんが結婚した」という事が伝わってなく、結婚後のなっちゃんをプライベートで誘うという、今の時代ギリギリの奇行に走っていたそうでした。

私と行っても何もならないのに、なんでいとうしは私を誘ってきたのだろう・・・。それならもう少しだけ早く誘ってほしかったけど。でもまぁいいか。

 

 

なおき達とたまたま会って話した所・・・・

「あのタコ(いとうし)が調子に乗ると、大体いつも変な事になる。」

満場一致で意見が纏まりました。

 

 

 

それから何年か経ち、いとうし達とまた飲みに出かけると、「まだなっちゃんが居るかもしれない」などと言って、何度かそのお店の扉を叩きました。

 

居るはずがありません。もうそこには絶対に居ないのでした。当然もうそこには、私達が欲しがった家感のカケラもありません。野獣だらけのジャングルみたいになっていたのでした。

 

それから何度か「なっちゃん居るかなチャレンジ」をしました。答えが出ているのに何度も扉を叩いてしまっていました。

何度目かのチャレンジの時にそのお店は閉店していました。なんという世知辛い世の中なのでしょうか。

 

同時に私達のチャレンジ終了の幕が下りてしまいました。

なおき「結婚したって言ってただろ。他行くぞ。」

強くそう言う放つなおきの背中もどこか寂しそうでした。

 

 

男は精神的に弱いです。一度そういった心地よい空間や自分の居場所を見つけてしまうと、どんどんつぎ込んで深く入り込んでしまいます。お酒でもギャンブルでもそうなのですが、それが8割、いや9割9分無くなっていると分かったとしても、その残り香が無いか、まだ何かある、やれる事がある筈だと言って、10割全てを分かろうとして、食いつくそうとしてしまいます。完全に食い尽くして、あーもぉ完全に終わった、あーやりすぎちゃった、人間らしく楽しむ気で行ったのに最終的には何故かどんよりとした悲しみが待ちうけてます。

もし完全な美談にしたければ3割くらい自分がすべき事を残しておく方が美しいのかもしれません。その方が周りにも自分にも迷惑かけることもありません。決してこれは私の中では人間らしくないとは思いますが、そのくらいがちょうどいいのです。

それがちょうどいいのでした。

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