前編はこちら
※ 元々前編と後編の2つに分けようと思いましたが、急遽3編構成に変更しました。
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念願の海外離島への旅が始まっております。
その島がある国に向かって私達の乗る飛行機が飛んでおります。
よぉし・・・これから楽しい事が待ってるぞぉー・・・
時差があるので当然ながら寝た方が良いのですが、あまりにも楽しみで興奮していた為、あまり眠る事は出来ませんでした。
もう何年来の夢だったのです。
ニカ「タクミ・・・今アナウンスが流れたよ。到着だよ。」
タクミ「ふぇ?・・・・マジで?」
ようやく眠る事が出来る頃に到着・・・・・。
かなり長い時間飛行機を乗っていました。今日がもう何日なのか分かりません。
飛行機を降りて、離島に行くための小さな飛行機を待つ2人・・・・。
タクミ「そうか・・・また飛行機乗るのか・・・・・」
飽きていました・・・。あれだけ興奮していたのに、もう飛行機に飽きていました・・・・。
ニカ「でも、もうちょっとだね♪」
笑って白い歯を見せるニカはいつも元気そうです。大好きです。
「・・・・タクミ?・・ニカ?」
タクミ・ニカ「え?・・・・・」
呼ばれる方向に顔を上げると、笑顔の金髪男性が目の前に立っていました。
「ナイストゥーミーチュー」
ビックリしたまま・・・・そのまま勢いで握手を交わす2人。
あっガイドの人か・・・・。でも今日から合流だったっけ??
ロブ「私、名前はロブといいます。今日お2人が泊まられる島のホテルの従業員です。ロブスター好きのロブと覚えて下さい。たまたま私の帰島の時期とお二人の到着時間が一緒でしたので、支配人からお2人と一緒に島に来るように言われております。」
タクミ「えーそうなんですか!てか・・・日本語うまいなっ・・・・」
ロブ「母方の祖母が日本に住んでいまして、私日系なんですよ。訳あって中学3年生まで日本に住んでいました。まさかゆかりのある日本からのお客様が来られるなんてビックリです。ようやく日本語で話す事が出来る・・・・。こっちに来てから母親としか日本語で話す事が出来ないので本当に嬉しいです。ホテルに居られる時は良い時間をサポートさせて頂きます。」
ロブの実家はこの空港の近くの町にあるようでたまたま帰省しており、仕事が始まる今日に合わせて働いているホテルに戻るようでした。たまたま私達と乗る飛行機の時間も一緒でした。
ガイドは島で合流するようで、ロブは本当にただのホテル職員のようです。
タクミ・ニカ「よろしく、ロブスター好きのロブ♪」
ロブ「息もぴったりですねぇ!良いカップルぅ!ふー--♪♪」
ロブと私達以外誰も周りは日本語が分かりませんが、少し照れます・・・・。
陽気なロブは、本当にホテルまで迷わないように、本当にただの親切で来てくれたようです。
感謝・・・・・海外でも感謝・・・・・。
流暢な日本語を喋るロブに手招きして貰い、小さな飛行機に乗り、島に到着しました。
飛行機から島を見下ろしましたが、・・・本当に滅茶苦茶綺麗・・・・・。ホワイトビーチです。
子どもの頃に見た写真と全く同じ画でした・・・・。
タクミ「やっと・・・・やっと俺はここに上陸できる・・・・。」
ニカ「すっごい綺麗だね♪超楽しみなんだけど♪」
飛行機は上がったと思ったら直ぐに下降していきました。
飛行場からロブが運転するSUVに乗り、ホテルに到着しました。
ロブ「ようこそ、お部屋は905号室です。」
その日はホテル自慢の夕食をニカと一緒に食べて(味は普通)、ホテル付近の露店商を見て回りました。
タクミ「これ買ってあげるよ♪」
タクミはミサンガをニカにプレゼントしました。(大体500円~1000円くらいでしょうか)
ニカ「わー可愛い♪ありがとねタクミー♪」
楽しい・・・・・なんて楽しいんだ・・・。
旅行を満喫していました。
結局その日は、露天商に勧められたお酒を購入し、2人でホテルの室内で飲みました。
う・・・うまぁ~・・・・・
なんだこのチョコレートのようなお酒はぁー--・・・・
完全に酔ってしまったようで一瞬で朝・・・・・・。恋人のニカと何をする事もなく朝・・・・。
ニカ「おはよータクミ。昨日すぐ寝ちゃったね。まぁ移動で結構疲れたし無理もないか。」
しまった・・・・せっかくのチャンスを・・・・・。
頭を抱えこみ、その場で後悔していました・・・・・。
ニカ「何やってんの?????」
しかし旅行としては、今日が本番です。
釣りは勿論ですが、今日は島で伝統的なヤギ狩りに挑戦できます。
タクミ「行ってみたかったんだよねー♪」
ニカ「そうなんだ!でも・・・私は可哀想だから行かない・・・・。」
博愛主義者のニカはヤギ狩りには参加しない様子でした。
今日は朝に雇ったガイドと合流し、釣りです。
やはりどんな時も釣りをするのが私たちなのです。
フロントで昨日会ったロブと話しました。
ロブ「タクミ、ニカ♪おはようございます。昨日はよく眠れましたか?」
タクミ「やぁロブ。俺ね、お酒飲んでガッツリ寝ちゃったんだよ。」
ロブ「そうですか。今日から本格的に旅行がスタートするようなものですもんね。・・・・そういえば、ガイドの方が見えられてますよ。」
ロブがロビーの方を指さしました。
タクミ「おぉ、あの人が島のガイドさんかぁ。」
ニカ「おー--いガイドさー-ん、こっちこっちー♪」
座っていた小麦色の肌の男性がニコッと笑顔を見せ立ち上がりました。
手を振りながらゆっくりとこちらに向かって歩いてきます。
ロブ「・・・うー-ん・・・・」
ロブが不思議そうな顔をしていました。
タクミ「どうしたの?ロブ。」
ロブ「・・・・いや・・・・日本人向けのガイド?・・・」
ニカ「ん?ロブ、なんかあったの?」
ロブ「日本人のお客様が何度かこのホテルに来られた事はありますが、あのガイドの方は初めて見ますね。新人さんでしょうか?・・・・・・」
どうやらロブの話だと、日本人向けガイドの数はほんの少数との事。日本人はあまりこの島には来ないので、日本語を話す事が出来る特定のガイドがいつも来るようですが、今日に限っては、初めて見る顔と言っていました。
タクミ「風邪でも引いて代わりの人が来たのかもね。まぁ・・・ガイドしてくれたらそれで問題無いよ♪」
ニカ「・・・・・・・・・・・」
ロブ「・・・・・・・・・・・」
一抹の不安・・・しかし考えすぎも良くありません。旅行会社が手配してくれたガイドです。ここは外国、・・・・どうしても信頼していくしかないでしょう。
2人の旅行は続く・・・・・。