サラマンダー・スパイラル ~再始動~

サラマンダー・スパイラル

これまでのお話はこちら

まとめ記事です。過去記事ライブラリーを修正致しました

※ まとめ記事の下部に登場人物紹介がありますので、ネタバレ等配慮していますが、注意願います。

まとめ記事☆ 「サラマンダー・スパイラル」
まとめ記事です。 「サラマンダー・スパイラル」 ↓ お疲れ様です。 今回はまとめ記事第2弾です。 おかげさまで連載させて頂いております「サラマンダー・スパイラル」も20話を突破し...

 

ハクの島編終了に伴い、本編に戻ります。

前回までの本編記事はこちらです。

サラマンダー・スパイラル ~平和~
これまでのお話はこちら ↓ まとめ記事です。「きたのの会社の仲間達」を追記しました。 ※ まとめ記事の下部に登場人物紹介がありますので、ネタバレ等配慮していますが、注意願います。 ハク「やっほー!準備完了!!」 ...

 

 

長い長い時代を感じる古めかしい横丁の片隅で、静かに夜会は開かれていました。

 

ジュー・・・ジュー・・・・

 

美味しそうな匂いが煙と共に室内に漂っています。

 

そんなに広くない店内。唯一の座敷に小さな鉄板を2つ囲んで5人は話し込んでいます。

 

にしま「おやっさん、生お願いします!!」

 

空の大ジョッキを片手にほろ酔い気分のにしま。

 

どうやらこの古びた老舗の焼き肉屋で宴会をしているようです。飲み屋街の片隅でひっそりと営まれており、入り口にある看板は当然の如く傾いています。

 

本日はにしまのグループ以外に人間は居なく、どうやら貸し切り状態です。

 

 

こんな寂れた店にスーツ姿の人間が集まっています。明らかにその場と釣り合っていませんが、全員仕事帰りで来ているので仕方ありません。

 

 

きたの「しかし・・・地元なんか、本当に久々来たぞ。」

 

 

上座の真ん中で陣取っている彫の深いイイ男が口を開きました。にしまの旧友きたのです。

 

 

にしま「誘っちゃまずかったか?仕事で来てんだ。たまには俺達が生まれ育った地元にお金を落としてもいいかと思って。」

 

 

みなみ「地元還元するのはいいんだが、俺達の金が何に使われてるかわかったもんじゃあない。ここ(店)の親父もギャンブル中毒だぞ。」

 

 

きたの「ろくなもんじゃねぇ。」

 

このきたのの右隣に座っているオールバックの男はみなみです。にしまの友人であり、同僚。そして相棒です。

 

 

リュー「社長が地元に行くと聞いたのでついてきましたが、にしまさんもみなみさんもよく考えたら同郷でしたね。」

 

一番入り口側に座っている髪を結んでいる青年はきたのの経営する会社の幹部リューです。市内の繁華街の一部を任されています。

 

 

ハク「この店美味しいじゃん!こんなに美味しいのになんでこんなに流行ってないの?!」

 

きたのの左隣に座っている色白眼鏡で髪の長い女性は同僚のハクです。コンタクトを普段つけてますが今日は気分的に眼鏡のようです。

 

 

みなみ「・・・そりゃあ、なんの肉使ってるかわからねぇからだ。」

 

ハク「・・・・え””””!!!???」

 

にしま「マジでね、地元でまともな人間に会った事がないのは事実。」

 

きたの「やかましいわお前は・・・俺はまともだっただろ。」

 

はっはっはっはっは!!!(にしま&みなみ:どこがだよ!!)

 

みなみがタバコの箱の中身を確認しています。

 

みなみ「あっ・・・・・・タバコ切らしちまった・・・・。」

 

 

リュー「あっ、・・・・おいアオノ、タバコ。パーラメント買ってこい!」

 

アオノ「はい!」

 

入り口で直立不動で立っているリューの部下は速やかに店から出ていきました。

 

 

ハク「そうだリュー!あんたそういえば私達の先輩のチーさんとどうなのよ?!」

 

リュー「えっなんで知ってるんですか?!」

 

みなみ「知ってる知ってる。アリスの店に行ってる奴はみんな知ってるぞ。」

 

にしま「いいなぁ、モテる男は違うな・・・・。しかしチーさんはマジで羨ましい・・・。」

 

会社のOGであるチーの隠れファンであるにしま・・・・。

 

きたの「あーなんか誰かから聞いたぞ。8時間も遅刻してきて顔は女性の口紅だらけ、指ネチョネチョで登場したらしいからな。8時間て、どれだけ楽しんだんだよ、っていうなぁ(笑)」

 

ハク「えええええ・・・」

 

縦線が入っているハクとリュー以外は手を叩いて笑っていました。

 

リュー「すみません・・・焦ってて些細なことに気づきませんでした・・・。」

 

きたの「別にいいんだよ。ただ、その後にしまに助けて貰うのはよくないな。」

 

にしま「助けるとかじゃないって。リューとはこれから一緒にやっていくんだからさ、そんなくだらないことに足を取られたら時間が勿体ないだろ?そのくらい時間に価値があるんだよこのリューって男には・・・・。でも・・・・チーさんと・・・・羨ましいのぉーー♪♪」

 

 

はっはっはっはっは!!

 

 

 

ぎゃあああああああああ!!!!!

 

 

笑い終えた後、急に断末魔の叫びが奥の部屋から聞こえました。

 

 

ハク「え?!・・・なにっ?!何事?!」

 

叫び声が聞こえたのにハク以外の全員は平然としています。

 

 

きたの「不思議なもんだよなぁ・・・・。エンコ詰めてる真横で焼肉食ってんだからなぁ・・・・。」

 

 

ハク「はぁ?!・・・・真面目に?!」

 

ハクがキョロキョロと周りを見ています。

 

にしま「・・・だからこの店はやめようって言ったんだよ俺は。ハクがびっくりするから。」

 

ハク「・・・・・・」

 

みなみ「いや、この店くらいしか予約できないだろ、きたのやリューが居るんだから普通の店は無理だぞ。理解ある店でないと。」

 

リュー「すいません、気を遣ってもらって・・・・。」

 

きたの「・・・まぁなんでもええわ。今日はしっかり食べて飲んで、明日のために頑張ろう。明日は別人。」

 

汚い窓の外を眺めるにしま・・・・・。

 

地元かぁ・・・・帰ってきたんだなぁ・・・・・。

 

5人は再びお酒を飲み始めました。

 

にしま、みなみ、きたのの3人にとってこの街は地元でした。地元には何年も住んでいましたが、子どもの頃と比べても環境は何一つ変わっておりませんでした。

 

変わったことと言えば、コンビニができたくらいです。

 

 

ピリリリリリリリリ!・・・・・

 

ホテルに向かうべく夜道を歩いているハクのカバンの中の携帯電話が鳴ります。

 

ハク「・・・もしもし・・・・・・・」

 

丁度近くの電柱の影でタバコを吸っていたリュー。

 

リュー(ん・・・ハクさん誰と電話してんだ?・・・・)

 

 

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サラマンダー・スパイラル 開幕!!

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