サラマンダー・スパイラル ~行進~

サラマンダー・スパイラル

これまでのお話はこちら

まとめ記事です。過去記事ライブラリーを修正致しました

※ まとめ記事の下部に登場人物紹介がありますので、ネタバレ等配慮していますが、注意願います。

まとめ記事☆ 「サラマンダー・スパイラル」
まとめ記事です。 「サラマンダー・スパイラル」 ↓ お疲れ様です。 今回はまとめ記事第2弾です。 おかげさまで連載させて頂いております「サラマンダー・スパイラル」も20話を突破し...

 

 

 

コンコンコン・・・・・・

 

 

パチンコ店の前に黒塗りのセダンが停まっていました。

 

運転席の窓をコンコンと叩くスーツ姿の男が居ました。

 

男「おーい・・・・」

 

アオノ「・・・!!え?!・・・どっ、どうしたんですか?・・・」

 

 

・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・・

 

パチンコ店の防犯カメラシステムを確認しているリュー、そしてロンの2人・・・・。

 

ロン「・・・・ここかな?・・・・・」

 

アオノ「あ・・・兄貴!!」

 

リュー「なんだよお前、車の番しといてくれって言っただろ・・・・・・。あっ・・・・お疲れ様です!」

 

アオノの奥からもう一人のスーツ姿の男が姿を現しました。

 

にしま「・・・リュー、手間かけさせているみたいで・・・・すまんかったな。」

 

リュー「にしまさん!!どうしたんですかこんな所に。ビックリするじゃないですか。」

 

アオノ「兄貴、その・・・・・にしまさんがその・・・先程の映像の男と知り合いみたいなんですよ。」

 

リュー「え?・・・そうか・・・・・そうでしたか・・・・。」

 

顔が曇ります。自分達が管轄している店で起きたゴトです。これに始末をつける為に店にやってきたのです。

 

 

ロン「にしまさん・・・これはもううちの・・・カンの親父に突き出すか、別の形で落とし前をつけるかしかないですよ。じゃないと私らもこういう調査しに来てる手前、店側によからぬイメージ持たれたら商売あがったりなんですよ。解決しなきゃいけない立場なんですよ。」

 

 

 

ロンの言う事は間違いありません。なんの為にこのお店はリューの会社にお金を払ってバックについて貰っているのかわからなくなってしまいます。

 

にしま「今、あいつは・・・ナンバはオーラス金融から借金をしてる。店の運転資金をギャンブルに使ってる状況だ。」

 

ロン「はい??・・・・それはもうろくでもない人間じゃないですか、なぜそういう人間の肩を持つんですか。」

 

にしま「返せるからだ。」

 

リュー「ほんとですか?」

 

ロン「ん?にしまさんもしかして、あのおっさんが働いて仕事で返すとかそういう事ですか?女性じゃないしどうしようもないですよね?」

 

にしま「ナンバの親父がそこそこの地主だということが分かった。良い所にビルを持ってる。近々俺が話をつけてそのビルを担保に入れる。」

 

リュー「親のビルを担保にするって、そんなに沢山金を借りてるんですね。それかよほど信用が無いか・・・・。」

 

ロン「兄貴、後者なら・・・・俺達もその信用が無いどうしようもない男を信用しないといけないってことですよね。」

 

にしま「リュー、ロン、アオノ。近いうちに必ず顔を立てるから今回だけは許してやって貰えないだろうか。頼む。必ずプラスになるように働きかけるから。」

 

 

ロン「・・・・兄貴どうします?」

 

リューは目を閉じて考えていました。必ず顔を立てる・・・ビジネスパートナーのその言葉には嘘は無いと思うのですが・・・こちら側の、本業のメンツに関わってくる話なのです。メリットが大きいのか或いはデメリットが大きいのか・・・リーダーのリューとしては考えなくてはいけない状況になってきそうです・・・。

 

リュー「にしまさん・・・・確かにキャストを入れて貰ってるしみなみさんにもお世話になってる。今回だけ・・・と言いたい所ですが、もうこの話自体が先に進んでる状態なんです。・・・近々うちのオカがここに来ます。」

 

にしま「オカ?・・・あの若いのか・・・。よしわかった・・・それなら任せて欲しい。」

 

 

「平和」のオーナー兼料理長のナンバはオーラス興業の子会社であるオーラス金融から借りていたお金、店の売り上げをギャンブルに使っていました。

 

 

派遣社員という名目で来たにしまの同僚であるハクはナンバのそのギャンブル癖を確認し、同僚のみなみとにしま、そして上司であるハツモトに報告。

 

 

その上、長年客を呼び込み、平和に尽くしていた人気女将が辞めるということになり、これで融資は不可。この店には返済能力が無いというにしまの上司ハツモトの判断でした。

 

 

更にナンバはこの話の通り、きたのの会社の幹部であるリューが仕切っている地区のパチンコ店でゴトを働いておりました。

 

 

リューとビジネスパートナーであるにしまは、これにいち早く気付き部下のアオノに無茶言って会わせて貰う事に成功。

 

 

ナンバのことは心から信用していませんでしたが、料理の腕に関しては一流であると認めており、平和は別の形で再出発が出来るとにしまの心の中では判断していました。

 

 

ハツモトに懇願し、「和食居酒屋」として再出発案を持ちかけました。この再始動案はにしまが考えた案だったのです。

 

 

オーラス興業の所長チュンは怪訝そうな顔をしていましたが、元々店のファンでもあったハツモトを味方につけた事が大きかったです。

 

子会社のオーラス金融で借金をしているビルのオーナーに掛け合ってビルの電光掲示板を宣伝用として使用する事。条件を出して元々居た女将を呼び戻す案。女性社員であるハクを上手く使い客引きをさせる案。オーラス興業の派遣登録の中でルックスの良い男性女性をアルバイトとして入れる事。その他にも様々な策をチュンに提示しています。

 

 

ハツモトを動かしたからには、後はゴトの件・・・要はリュー側をどうにかする必要性があります。きたのの部下オカを黙らせなくてはいけません。

 

 

繁華街の土地価変動があり、店の土地や建物が担保でも返済は今の価値では足りず、ここで引くことの方がよほど地獄進むも地獄・・・かもしれない・・・・。そうであるならば進んでみようと、自分の心に決めたのでした。

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