うつし世と並行する世界へ⑤~パラレルワールド~

不思議な話

前回までのうつし世と並行する世界へはこちら

うつし世と並行する世界へ ~パラレルワールド~
お疲れ様です。 常に楽しく愉快な出来事を追い求めています、エイルです。 本日はパラレルワールドについてのお話です。このワードを皆さんは詳しくご存じでしょうか。 異世界モノとか最近流行っていますので、少しは耳にしたこ...
うつし世と並行する世界へ②~パラレルワールド~
前回までのうつし世と並行する世界へはこちら ↓ 食卓に座っている3人の姿がありました。 母親「けいちょ、隣のおじちゃんから聞いたよ。あんた昨日友達と丘の上の建物に行ったそうね。」 朝食の時、顔を合わすなり母親からその...
うつし世と並行する世界へ③~パラレルワールド~
前回までのうつし世と並行する世界へはこちら ↓ 時刻は午前1時半・・・・・。 私は寝静まった家の裏口から外に出ました。自転車に乗り込み、仲間達と待ち合わせている丘へと続く橋に向かいました。 辺りは真っ暗、少々...
うつし世と並行する世界へ④~パラレルワールド~
前回までのうつし世と並行する世界へはこちら ↓ 湯船の中にあった階段を駆け下りる2人。 一体なんの為にこんな階段を作ったのでしょうか。あの浴室はカモフラージュでしょうか。 階段を降りた先はなんと広い和室で...

 

 

渦のようなものに巻き込まれて、目覚めると私はベッドの上でした。

 

病院???・・・・でしょうか・・・・・。丁度女性の方が私の部屋を掃除してくれていました。看護師さんと思われます。

 

その看護師さんと目が合った途端・・・持っていたほうきを落とされました・・・・。

 

看護師「・・・目が覚めたのね!待ってて!!今先生呼んで来るからね!!!

 

その女性は慌てて部屋を飛び出しました。

 

けいちょ「????」

 

どういうことでしょうか?・・・・・・私が目が覚めた途端、周囲が騒がしくなってきました・・・。

 

暫くしたら医者が来て、私の体の検査が始まりました。

 

医者「体がどこか痛いとかはないかな?」

 

けいちょ「いえ・・・特に無いです。」

 

医者「今ね、家族の方に連絡とってるからね。多分、今日なら直ぐ来られると思うよ。」

 

 

私は暫く窓の外を見ていました。

 

 

私が今居る病院は来たことのない病院でしたが、かなり大きそうな病院です。近くにこんな病院あったかな・・・・・・。

 

暫くすると、女性と青年が私の病室に入ってきました。

 

女性「タクミ!!あんた!!もぉ・・・よかったぁ・・・・。」

 

ギューーーーー--!!!

 

その女性はベッドの上に居る私をかなり強く抱きしめました。

 

青年「お兄ちゃん・・・よかったぁ・・・・。」

 

やってきた2人は喜び、何故か大粒の涙を流していました。

 

 

 

しかし・・・・お兄ちゃん?・・・・・

 

私にはショウコという妹が居ましたが、弟は居ませんでした。しかしこの青年は私の事をお兄ちゃんと呼びます。

 

けいちょ「すいません、あなた達は・・・・誰ですか??

 

女性「え???・・・・」

 

青年「・・・お兄ちゃん、寝ぼけてるんじゃないの?(笑)」

 

女性「・・・・そうね。目が覚めたばかりだもんね。でもよかった・・・。」

 

いや・・・本当に誰だか分からないんですけど・・・・。

 

先程診察をしてくれた医者が再びやってきました。

 

医者「明日からになりますが、直ぐに検査の手配をします。今日はタクミくん目が覚めたばかりですから。詳しい検査は明日にしましょう。」

 

医者の言葉で本日は退院せず、明日の検査の為に入院が続くそうでした。

 

この病室は個室でしたので、快適でした。

 

女性がフルーツを持ってきてくれて、食べさせてくれました。ご飯も美味しかったです。

 

周りに居る全ての人間が私に対して優しかったです。

 

暫くすると父親と姉がお見舞いに来ると言っていました。

 

私の事を「タクミ」という謎の名前で呼んでくることに気付きました。

 

私には「けいちょ」というれっきとした名前があるのですが・・・・。

 

 

男性の下の名前には「ちょ」という名前がつき、女性には「こ」という名前が付くはずです。

 

友人のコバシもイケモトも下の名前は「ちょ」が付きます

 

リクも本名は「リクちょ」、フミオも本名は「フミオちょ」です。呼びにくいのであだ名で呼んでいました。

 

 

けいちょ「ここはどこだ?・・・・俺は誰なんだ?・・・・」

 

病室の洗面台にあった鏡で顔を洗おうとした時に、自分の姿を確認しました。見てしまいました・・・・。

 

けいちょ「・・・・!!!!・・・・・なんなんだこれは!!!」

 

私の声に反応した看護師が慌てて病室に入ってきました。

 

看護師「大丈夫ですか?!・・・何かありましたか?!」

 

けいちょ「・・・・あ・・・あ・・・あ・・・・」

 

洗面台の傍で腰を抜かしてしまいました。

 

私の顔が変わっていたのです。みたこともない顔が鏡に映っていました・・・・。

 

今日は疲れているという判断で、トイレ以外はベッドの上で過ごすように言われました。

 

名前も顔も違えば、背丈も、年齢も少し老けたように見えました・・・・・。

 

確か俺は・・・・

 

あの地下の和室で・・・・・・走ったんだよな・・・・・。

 

 

けいちょ「コバシ!!・・・そうだコバシは大丈夫だっただろうか・・・」

 

 

気付けば真夜中でしたが、看護師が廊下を歩いていました。

 

けいちょ「あの・・・すいません・・・・。」

 

看護師「あら、タクミくん。起きてたのね。今日ねあなたの可愛い彼女さんが来られたわ。ニカちゃんね。知ってるでしょ?」

 

けいちょ「・・・・ニカ?・・・・」

 

看護師「でも面会時間過ぎててね、どうしてもって言われたけど病院の許可がおりなくてね。ごめんね。規則で帰って貰ったんだけど、それなら明日友達も連れて来るって言って居られたわよ。」

 

けいちょ「そうなんですか・・・・・。あの・・・俺って・・・何故病院に居るんでしょうか??・・・」

 

看護師「そっかぁ・・やっぱり覚えてないんだ。無理もないよね3か月間もベッドの上だったら。」

 

3か月間もベッドの上??・・・・・

 

何故そんな事になったんだ??・・・・・・

 

 

看護師「今日はもう遅いから、寝ましょう。おやすみねタクミくん。ゆっくり休んでね。」

 

看護師さんは笑顔で手を振って、奥の部屋の方へ進んでいきました。

 

 

けいちょ「俺・・・・寝てたのか?・・・・」

 

今自分が置かれている状況が全く分かりませんでした。名前も違うし、お見舞いに来た家族の顔も分からず、食べさせて貰ったメロンという食べ物も生まれて初めて食べました。しかも自分には彼女が居るという事が分かりました。

 

明日友達が面会に来ると言っていました。コバシだったらいいな・・・・。

 

検査もするというので、明日詳しく自分が置かれている状況を整理してみようと思います。

 

今日は本当に初めての事づくしで、疲れてしまいました。ゆっくり眠ろうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました